この本は、一言でいうと「優しい気持ちになれる本」だと思います。
本の始まりは、登場するねずみの国の王様が大好きなあの娘のために王国を飛び出して、その娘が毎日持ち歩くポーチの中でただのねずみくんになる、というストーリーから始まります。そして、毎日その娘のために何ができるのかを考えます。そして、ねずみくんは気づくのです。『ぼくの命はきみへのギフトだったんだ』『生きるってことは、たったひとりのためになることなんだよ。だから、これからずっと……ぼくをきみだけのものにしてくれる?』(本書より)
このねずみくんの挿絵がとても可愛く、一途なその気持ちに心を奪われました。私のポーチにもねずみくんがいればいいのに、女子なら誰もがそう思ったことでしょう。
そして、私が一番この本の中で「なるほど!」と思ったのは、私たち女子の感情についてです。よく、「女性は男性に比べると、感情が豊かだ」と言われますが、それはなぜなのか。筆者によると、それは、女性は「自然のちから」(運命)と密接につながっているからなのだそうです。女性の感情は波のように満ちていき、その後に引いていくというリズムがあって、月の満ち欠けと同じように、その引力に引っ張られ感情も満ちては欠けていくのだそうです。確かに、女性の月経もほぼ月と同じ周期をもっていますよね。あと、どういうわけか満月の時にお産が多いというデータもあるのです。そう聞くと、確かに私たちの感情は自然と密に関係しあっているように感じますよね。
つまり、女性の感情は、運命的に「もたらされた」ものであり、そこで感じることは、例外なく正しい、ということなのです(少し極端な気もしますが……)。自分で自分のことを信じ、守ってあげないと、心はどんどん擦り減っていきます。そうなると、他人に対しても優しい気持ちで接することができなくなるのです。だからこそ、自身のありとあらゆる感情を受け入れ、自分自身を肯定しながら生きるべきだと筆者は教えてくれているのかもしれません。
この本を読んで感じたのは、誰もが皆、ねずみくんのように愛し、愛される人がいるはずです。あとは、自分の事を愛し、大切にしてあげれば、「最高に幸せ!」と感じる第一歩になるのだと思います。
岩橋里奈/女性/20代
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作品紹介
女性は「自然のちから」(運命)と密接につながっている。つまり女性の感情は、運命的に「もたらされた」ものであり、そこで感じることは、例外なく正しい。すべての女性が自分のあらゆる感情を受け入れ、自分自身を肯定しながら生きる力を与える本。
上原愛加・著
定価:本体1,400円+税/学研プラス
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