感じて、妄想して、味わう。山城の美しさはその存在感にあり。

読書くらぶ

UPDATE 2020.07.20
公開日 2015.03.24

 備中高松城は豊臣秀吉による有名な水攻めの舞台だそうだ。巨大な湖で四方を塞がれ、孤島と化した城だなんて、戦国推し歴女でなくともちょっと気になる。
 しかし、この城周辺は今や綺麗に整備された城址公園になっており、壮絶な水攻めの気配を感じさせないどころか、のどかな雰囲気さえ漂っているという。「なーんだ。じゃあつまらんね。」と思ってしまったところに、喝! と言わんばかりの一言。
「城歩きは妄想だ!」
 城メグリストの萩原さん曰く、城にその物質的価値ばかりを求めるのはナンセンスとのこと。城ならではの魅力とは、その城が栄え、廃れていく、時の流れを自由に妄想できるところではないだろうか。中でも広大な敷地に土塁や空堀が残っている山城では、その城の存在感を地形から感じることができるため、よりリアリティのある妄想が可能になる。

 天守や石垣など具体的な歴史の跡を眺めるのもいいが、妄想の中で味わう歴史は、過去のものではなく、現在まで生き続ける“時代の魂”だ。2人の著者の山城トークはマニアックで、ところどころつっこみを入れたくなるが、読んでいるうちにその世界に引き込まれてしまうほどエネルギーがあり、自分まで2人と一緒に山城を歩いているような気がしてしまう。

 

のん/女/20代

感想文を募集中!

本を読んだ感動を伝えたい!という方、オススメしたい本があるという方は、 応募フォームから、感想文を送ってください。

コメント欄に「読書くらぶ」と明記のうえ、下記のご記入をお願いします。

【1】読んだ本のタイトル
【2】著者名(翻訳本の場合は、翻訳者名も)
【3】発売元(出版社名)
【4】本の感想

送っていただいた感想文の中から、毎週1人、掲載させていただきます。

作品紹介

『今日から歩ける!超入門 山城へGO!』

天守のない戦国時代の山城こそおもしろい! 城ファン代表の「城メグリスト」と山城研究歴30年の「ナワバリスト」が、奥深くバラエティーに満ちた山城歩きに、あなたをご案内します。今日から歩ける、図版満載のオールカラー山城歩き入門書!
萩原さちこ、西股総生・著
定価:本体1,300円+税/学研プラス

バックナンバー

あわせて読みたい