「好きなこと」を探すのではない。 「それをしているのが好きな自分」を探すのだ。
中谷彰宏『嫌いな自分は、捨てなくていい。』セレクション
「好きなことが見つからない」と言って、ウロウロ探しまわっている人がいます。
原因は、2つあります。
1つは、壁のないものを探しているからです。
そういう人は、壁にぶつかるたびにやめてしまいます。
もう1つは、「好きなこと」を探しているからです。
軸がブレないためには、「好きなこと」より「それをしているのが好きな自分」を探したほうがいいのです。
「それが好き」と「それをしている自分が好き」とは、同じことのようですが、違います。
たとえば、お酒は好きでも、アルコール依存症の自分は嫌いです。
高級ブランドが好きでも、買い物依存症の自分は嫌いです。
ジムに通って体を鍛えるのは、しんどいです。
「なんでこんなことをしなければいけないの」と思います。
しんどいことをドMになってしている自分が好きだから、続けられるのです。
マラソンも、走るのはしんどくても、走っている自分は好きです。
恋愛では、これが多いのです。
相手のことは、好きです。
でも、嫌われないようにガマンして相手とつき合っている自分は、嫌いです。
これは、「好きな自分」ではなく、「嫌いな自分」です。
分身の考え方でいくと、「嫌いな自分」は捨てなくていいのです。
大切なのは、「好きな自分」を増やすことです。
何をしている時の自分が好きか、書き出してみます。
その比率を、どんどん増やしていけばいいのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
嫌いな自分は、捨てなくていい。
メンタルを強くする67の方法
仕事でも恋愛でも、メンタルが強い人がうまくいく。メンタルは生まれつきではなく、磨くことができる。メンタルを強くする方法。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- リストカットは、死にたいのではない。 嫌いな自分を殺して、 好きな自分を生かしたいのだ。
- 新しい分身は、 新しい体験・新しい勉強・新しい出会い から生まれる。
- 1つの自分に、絞らなくていい。 複数の自分の分身から、自分が選べばいい。
- ガマンするのではなく、 感情をコントロールできる力をつける。
- 負荷とは、仕事の量だけではない。 したことがないことをすることも、負荷だ。
- 負荷から、工夫が生まれ、結果になる。 結果を先に求めると、メンタルが弱くなる。
- メンタル力は、先天的なものではない。 負荷をかけることで、アップする。
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