「好きなこと」を探すのではない。 「それをしているのが好きな自分」を探すのだ。

中谷彰宏『嫌いな自分は、捨てなくていい。』セレクション

UPDATE 2020.07.20
公開日 2016.04.28

 「好きなことが見つからない」と言って、ウロウロ探しまわっている人がいます。
 原因は、2つあります。
 1つは、壁のないものを探しているからです。
 そういう人は、壁にぶつかるたびにやめてしまいます。
 もう1つは、「好きなこと」を探しているからです。
 軸がブレないためには、「好きなこと」より「それをしているのが好きな自分」を探したほうがいいのです。

 「それが好き」と「それをしている自分が好き」とは、同じことのようですが、違います。
 たとえば、お酒は好きでも、アルコール依存症の自分は嫌いです。
 高級ブランドが好きでも、買い物依存症の自分は嫌いです。
 ジムに通って体を鍛えるのは、しんどいです。
 「なんでこんなことをしなければいけないの」と思います。
 しんどいことをドMになってしている自分が好きだから、続けられるのです。
 マラソンも、走るのはしんどくても、走っている自分は好きです。
 恋愛では、これが多いのです。
 相手のことは、好きです。
 でも、嫌われないようにガマンして相手とつき合っている自分は、嫌いです。
 これは、「好きな自分」ではなく、「嫌いな自分」です。

 分身の考え方でいくと、「嫌いな自分」は捨てなくていいのです。
 大切なのは、「好きな自分」を増やすことです。
 何をしている時の自分が好きか、書き出してみます。
 その比率を、どんどん増やしていけばいいのです。

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

嫌いな自分は、捨てなくていい。
メンタルを強くする67の方法

仕事でも恋愛でも、メンタルが強い人がうまくいく。メンタルは生まれつきではなく、磨くことができる。メンタルを強くする方法。
定価:本体1300円+税/学研プラス

バックナンバー

関連コンテンツ

あわせて読みたい