「ペンと、ペンが生み出す言葉は、マシンガンや戦車やヘリコプターなんかよりずっと強い」。
世界中の子どもたちに教育を受ける権利があると訴え続ける本書の著者・マララの言葉です。教育を受けること。先進国で生活する私たちにとってはごく当たり前に通過していくものに過ぎないでしょう。
ところが世界に目を向けてみるとまったくそうではない。文字を書くことも読むこともできずに大人になる人々は今でも大勢いるのです。恵まれた環境で暮らす私たちの中には、教育によって知識を身につけることの大切さと有難さにまだ気づいていない人々がたくさんいるのではないでしょうか。
知識を持っていることがどれだけ大きな力になるか、知識によってどんなに道が開けるか。「教育」に対する価値観をがらりと変えてくれる一冊です。
そして同時に本書からみえてくるのは、マララの「強さ」。そこには真摯な心と揺るがない信念があります。彼女の強い意志や行動する勇気、人間的な強さというのは、実は私たち一人ひとりが平等に持っているものだと思うのです。誰にでも、自分にとっての譲れないものやことがあるでしょう。マララの場合、それが「教育」に向けられている。マララを取り巻く身近な人々や環境が、彼女に進むべき道を示したのだと思います。
ひとりの少女の勇敢に戦い続ける姿に、私たち読者は人間の持つ無限の可能性を見出し、勇気と希望を持って生きる力をもらうことができるのです。
篠田優/女性/20代
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作品紹介
『わたしはマララ:
教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』
「すべての子どもに教育を」と訴え、イスラム武装勢力に銃撃された16歳の少女・マララの手記。本書は、テロリズムによって生活が一変した家族の物語でもあり、女の子が教育を受ける権利を求める戦いの記録でもある。全世界150万部突破の国境を越えたベストセラー!
マララ・ユスフザイ、クリスティーナ・ラム著
金原瑞人、西田佳子訳
定価:本体1,600円+税/学研プラス
バックナンバー
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