プレゼンは、アシストがあると、通りやすくなります。
サッカーでも、ゴールを決める時はアシストが必ずあります。
フォワードが、1人でシュートを打つことはないのです。
商品を売るのも、プレゼンテーションです。
たとえば、ブランドショップの個室で、お客様が100万円の時計を見て「どうしようかな」と考えています。
店員がお客様に向かって、「これは値打ちがあります」「希少品です」「オシャレなお客様にぴったりです」といくら言っても説得力はありません。
膠着状態になっているので、これ以上押してもムリです。
プレゼンは、必ず膠着状態になる瞬間があります。
これを打開するには、力で押すのではなく、アングルを変えます。
その時の技として僕がブランドショップに教えた方法は、お茶を持ってこさせることです。
お茶を持ってきた女性に「あ、買われたんですか。私、これ、カッコいいと思っていたんですよ」と言われると、お客様は「よし、買おう」という気持ちになります。
目の前で売っている人より、お茶を持ってきた女性のひと言で決まるのです。
刑事が北風と太陽の役割を分担するのも、アングルを変える効果があります。
プレゼンは2人組で、1人がアシストすると成功しやすくなるのです。
プレゼンでも、一方向からボンボン攻撃するよりは、アングルを変えるだけで崩れます。
まじめな人は、一方向からもっと力を加えようとします。
力を加えれば加えるほど、作用反作用で相手の抵抗は強くなります。
アングルを変えてプレゼンできる人が、チャンスをつかめるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
プレゼンは、チャンスをつかむきっかけ。自分のアイデアをどう提案して、夢を実現していけばいいのか?を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- うな重のふたは、 同時にあける。
- 個人的な意見が、強い。
- 話し手からの質問が、 聞き手を遠ざける。
- ロジックが、世代を超える。
- 説明は、伝わらない。 描写が、伝わる。
- まず1人、 熱狂的な支持者をつくる。
- プレゼンとは、 ちょっといい提案だ。
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