正直動物感動系のお話はどうしても泣かされてしまうので読まないようにしていました。しかし今回は表紙のシロクマの赤ちゃんにつられてついつい手を伸ばしてしまいました。開けてみるとピースと飼育員の写真がたくさんあり、そのかわいさに文章もとても読んでみたくなりました。
お話自体は全体を通じて、とても心温まる一冊でした。しかし、その中身を改めて考えてみると、一概に心温まる内容とは言えないものでした。シロクマのピースに発作が起きてしまい、生きるか死ぬかという瀬戸際に立たされてしまうということもあり、生きる事の大切さ、難しさをを学びました。自然界で生きるシロクマにとって、親離れと子離れというのは、無意識的に学習するものです。しかし、人間の親に育てられたシロクマには、自然と学ぶことはできません。シロクマにとっても人間にとっても、今まで接してきた時間と中身が濃密であるからこそ非常に難しい選択肢ですが、お互いにとって幸せな選択を選ばなければいけない葛藤を描いた本です。
振り返ってみて、表紙のシロクマの赤ちゃんの写真につられたのですが、知らない動物飼育の世界には学ぶ事、関心するポイントがたくさんあり、動物感動ものというジャンルをもっと読みたくなりました。
ほんじゅらす/性別不明/年齢不詳
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作品紹介
「私は110日間、完全に母グマになっていました」 愛媛県立とべ動物園の人気者シロクマ“ピース”は飼育員によって自宅で育てられた。ホッキョクグマと人間のふれあいを描いた感動のノンフィクション。“ピース”のかわいらしい写真も満載!
高市淳広、平野敦子・著
定価:本体1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
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- 「僕が愛をうけとった日」
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- 舞台は江戸。でもどこかモダンで読みやすい時代小説。
- 『風の旅』に読む、人の正直さ
- 「頑張っていれば必ず誰かが見ている」ということ
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