「俺たちの仕事は、信じるのではなく信じられることだ」、この言葉が頭から離れない。この言葉を読んだとき、何か己の中にあったイガイガしていたものがトローチを舐めたかのごとく弱まり、カチッと音がした。
この本は、蜂須賀家政が父親を超えようと奮闘する物語である。時は戦国、織田信長の中国攻めのときから始まる。織田信長の家臣である豊臣秀吉、その家臣である蜂須賀小六の一人息子、蜂須賀家政は常に父親である蜂須賀小六に反抗していた。二度目の初陣と小六が稲田に言ったように、蜂須賀家政は二度目の初陣を果たす。その初陣は成功し、織田軍は中国最大の毛利家との戦いに称することとなる。しかしながら、その後家政が小六に言われた一言が「俺たちの仕事は、信じるのではなく信じられることだ」なのである。
二度目の初陣とは何かしらの軍というものを率いて戦うことを指しており、その中で家政は信じることのみをしてしまっていた。しかし、この言葉通り、リーダーたる者信じるものではなく、そこについてくる人々を信じさせる力が肝心である。
こうあるべき、こうしないといけない、そんなことは書いていない。しかし、彼と父親の生き方を見ていると、何か自分の生き方に取り入れたくなってしまう。そんな一冊です。
おさむ/男/20代
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国か、御家か、息子の命か、それらを全て失うのか? 絶体絶命の天下分け目の戦いで東西両軍をあっと化かした、蜂須賀家二代目による「関ケ原一の奇策」とは? 阿波踊りをはじめた男は、大名にして商売人、なによりも川並衆だった! 徳島藩祖の痛快な半生!
簑輪諒・著
定価:本体1,350円+税/学研プラス
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