「こんなに頑張っているのにうまくいかない」と言う人は、被害者意識になっています。
同じことをしていても、「被害者意識の人」と「加害者意識の人」に分かれます。
「被害者」ではなく、「被害者意識」です。
被害者意識になると、「こんなに頑張っているのに上司は認めてくれない」「お客様は認めてくれない」「うまくいかない」と言います。
頑張っていない人は、「頑張ってないから仕方がない」「私が悪い」「すみません」という姿勢でいられるから、反省します。
「こんなに頑張っているのに」と言う人は、反省しないで逆ギレが起こります。
大切なのは頑張ることよりも、頑張るとはどういうことなのか見直していくことです。
まず、「こんなに頑張っているのに」というところから抜け出せばいいのです。
これは、一生懸命でまじめな優等生のタイプが一番陥りがちです。
劣等生はもともと頑張っていないので、そんなことは言いません。
努力をし続けるわけです。
優等生は、頑張っているから、その結果が出なかった時に、「エッ、こんなに頑張っているのに」となってしまいます。
これが逆ギレにつながるのです。
「こんなに相手に対して愛情を尽くしているのに、なんだ」というのは、完全に一方的な思いになっています。
被害者意識から加害者意識になる必要があります。
加害者意識になるというのは、「加害者になる」ことではありません。
「加害者意識」と「加害者」とは違います。
「加害者」は、人に迷惑をかける人です。
「加害者意識」は、「自分だっていろいろ迷惑をかけている」「できていないこともある」「頑張れていないこともある」という意識です。
被害者意識を持つ人は、そもそも被害者かどうかも怪しいです。
自分で意識を持ってしまっている人だからです。
「私はいつも損をしている」というのが被害者意識です。
かくれんぼで言うと、隠れている側と探す鬼になるのと、どちらがしんどいかです。
しんどいのは、隠れている側です。
仕事や恋愛、習いごと、人間関係でも、かくれんぼで隠れている側の意識でいる頑張り方は間違っています。
隠れている側としてではなく、探している側で頑張ることが大切なのです。
(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載予定です。次回は1月29日掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
大人気の中谷彰宏「うまくいくシリーズ」。「頑張り方」を変えるだけで、仕事も、人間関係も、恋愛も、楽しめる方法を伝授。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- リスペクトがあることは、頑張らなくても、淡々とできる。
- 断られたのは、相手の状況にマッチしていなかっただけ。
- 体のメンテをする。
- ガマンするより、SOSを出せるようになる。
- ヤル気は、1つずつすることで、湧いてくる。
- 起きてすぐ全速力にすると、クルマも人も、壊れる。
- ヤル気のある日とヤル気の出ない日があっていい。
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