【金田一秀穂先生が語る言葉の力がつく子どもの学習法】子どもの「おしゃべり」について

2019.12.30

 これからの時代に求められる力として注目されている「読解力」「会話力」「文章表現力」「語彙力」などの「言葉力」。新しい学習指導要領でも、言語能力の育成が目標に掲げられています。

「言葉力」をつけるには、どんな勉強法をすればよいのでしょうか。そんな疑問に、“国語の神様”金田一秀穂先生が、保護者とのQ&A形式でわかりやすくお答えします。

金田一秀穂先生

Q:子どもに学ばせたい「美しい日本語」とは?

 子どもには「美しい日本語」を学ばせたい。また、そんな言葉を使えるようになってほしい。そういうことを願い、こだわる親も多いようです。でも「美しい日本語」や「美しい言葉」とは、そもそもどういうものなのでしょうか?

A:形だけではダメ。愛情のこもった言葉こそが「美しい日本語」

「美しい日本語」とはいいますが、僕はどんな言葉も心がこもっていなければ「美しくない」と思います。丁寧な敬語をうまく使いこなせたとしても、相手を敬う気持ちがなく、形だけ真似た言葉は美しくありません。言葉には、その人の人生経験が出るから、上辺だけの薄っぺらな言葉はすぐにわかりますよ。

 たとえば、入社したての新入社員が有能な先輩と話すとき、敬語が多少たどたどしくても敬意が態度に表れていたら、それでいいと僕は思うわけです。言葉が美しいか美しくないかより、尊敬の気持ちが本物かどうかが大事ですから。

 僕は最近、政治家たちの言葉に気持ちがこもっていないと感じることがあります。かつて、孔子の弟子が政治家になるとき「政治にとって、最も大切なことはなんでしょうか?」と尋ねると、孔子は「名を正せ」と答えたそうです。「名を正す」とは「言葉を正確に使う」という意味で、物の名をきちんと指す、そういう言葉を使えということです。だから政治家というのは、誰よりも言葉を正確に使わないといけないんですよ。よく「責任を取る」と言いますが、「責任」とは一体何をすることなのか、きちんと説明できているのか疑問ですね。

 ともかく今は、言葉が乱れているというよりも、ちょっといい加減に使われすぎています。たとえば「絆」という言葉も、消費されすぎたことで変に薄っぺらくなってしまい、本来の価値をどんどん失っている気がします。

 そんな時代に本当の意味で「美しい言葉」と言えるのは、子どもへの愛情がこもった親の言葉です。親が子どもに心から伝えたい言葉、それが「美しい言葉」だと思います。だからこそ、家庭内の会話って大切なんですよ。子どもが思春期になると、話してくれなくなることもあるでしょう。でも、沈黙や反発も立派なコミュニケーションで、親子にしかわからない気持ちが伝わることもあります。それがお互いに理解できていれば、会話の量は少なくても構わないと思いますよ。

金田一秀穂先生の【言葉の力がつく極意!】

 「美しい日本語」の形だけにこだわってもダメ。心のない薄っぺらな言葉は美しいとは言えません。言葉がいい加減に使われている今の時代、子どもに向けた愛情ある言葉こそが、本当に「美しい」と僕は思います。

金田一秀穂先生監修「新レインボー小学国語辞典」

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