【金田一秀穂先生が語る言葉の力がつく子どもの学習法】文章を書く力はどうやって伸ばす?

2019.12.26

 これからの時代に求められる力として注目されている「読解力」「会話力」「文章表現力」「語彙力」などの「言葉力」。新しい学習指導要領でも、言語能力の育成が目標に掲げられています。

「言葉力」をつけるには、どんな勉強法をすればよいのでしょうか。そんな疑問に、“国語の神様”金田一秀穂先生が、保護者とのQ&A形式でわかりやすくお答えします。

金田一秀穂先生

Q:絵日記の「文章」はどうやったら書ける?

 夏休みの宿題をやる時期になると、親たちの間で「うちの子は絵日記の“日記”の部分が、まったく書けない」という話をよく聞きます。たとえば、花火大会に行った絵を描いているのに、日記では家を出て電車に乗ったところまでしか書けていないとか……。書けるようになる方法はありますか?

A:「誰かに向けて」書けば、文章を書くのは楽しくなる

 前のページで「読んでもらう相手をイメージすると書きやすくなる」と答えましたが、絵日記についても同じことが言えます。夏休みの思い出について話したい人、夏休みにあったいろいろな出来事を伝えたい人。そういう相手を具体的にイメージして、その人に向けて書こうと考えるのがいいと思います。つまり、手紙を書くような感覚ですね。

 インターネットのブログとかSNSもそうですよね。「今朝、通勤途中で見たネコ」とか「お昼ごはんに食べた定食」の写真を載せているけど、他人の僕らが読んでも「そんなこと、どうだっていいでしょ」と思っちゃう(笑)。でも、友達が見たら「いいね!」を付けてくれる。要するに、たとえ無意識だったとしても、結局は友達が見ると思っているからスラスラと書けて楽しいんです。夏休みの絵日記も、それと同じように考えればいいと思います。

 それなのに宿題では、子どもたちに難しいことを要求するわけですよ。「未来の私に向けて作文を書きましょう」とか(笑)。そういう漠然とした指示ではダメですよ。むしろ親戚のおばあちゃんとか、読んでもらう相手を最初から具体的に想定して、書かせたほうがいいんじゃないでしょうか。

 作家の井上ひさしは原稿を書くとき、いつも机に知り合い数人の写真を並べていた、という逸話を聞いたことがあります。そして、「この人たちが読んでくれるなら」と思いながら書いていた。さらに「この人たちが、この作品を読んでも自分は恥ずかしくないだろうか?」と、常に自問自答していたとか。著名な作家でさえも、そのほうが書きやすかったということです。

 読む人に何を伝えるのか。感想文なら、本を読んだことのない人に内容をどう伝えるのか。子どもたちにとっては大変なことかもしれないけど、書くことで「伝える」という作業の面白さをわかってくれれば、僕はそれでいいと思います。

金田一秀穂先生の【言葉の力がつく極意!】

 ポイントは「誰かに向けて書く」と意識すること。手紙を送るような気持ちで書かせてみてください。人に伝えるというのは大変なことだけど、それがうまくできたとき、文章を書く面白さがわかってきます。

金田一秀穂先生監修「新レインボー小学国語辞典」

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