【金田一秀穂先生が語る言葉の力がつく子どもの学習法】第5章 子どものための辞書選びについて

2019.12.12

 これからの時代に求められる力として注目されている「読解力」「会話力」「文章表現力」「語彙力」などの「言葉力」。新しい学習指導要領でも、言語能力の育成が目標に掲げられています。

「言葉力」をつけるには、どんな勉強法をすればよいのでしょうか。そんな疑問に、“国語の神様”金田一秀穂先生が、保護者とのQ&A形式でわかりやすくお答えします。

金田一秀穂先生

Q:はじめての辞書を選ぶときのポイントは?

 子どもの小学校入学に合わせて、国語辞典を買ってあげたいと思っています。でも、子どもはまだ「辞書を引く」ということに慣れていません。そこで「はじめての辞書」を与えるときは、どんな視点で選べばよいのでしょうか?

A:親自身が「わかりやすい」辞書を探してみよう

 まずは、わかりやすいこと、ですね。

 自分が意味を知っている言葉について調べてみて、「そうか」と納得できる内容であればOKです。大人向けの辞書は「『愛』の説明を見て選べ」と言われたりもしますが、僕の場合は「間」「右」「左」「時」といった、説明が難しそうな言葉を見ます。たとえば「間」を「間」という言葉を使わずに説明する、「時」を「時」という言葉を使わずに説明するのは、本当に難しいことですから。

 でも、子どもが辞書で引く言葉というのは、普段は身近にない言葉なんですよね。難しげな言葉とか、外来語とか。そういう言葉こそキチッと説明してあげないといけないんだけど、辞書の中には先程の「説明が難しい言葉」にこだわったりと、変な方向に凝っちゃうものも結構あります(笑)。「あ」という項目も「誰が調べるんだ」と思うけれど、辞書を作る人たちは、それを一生懸命作るわけです。ある意味、作り手の自己満足と言えなくもない。でも、そこに辞書の個性が出るから、同じ言葉の説明を比べてみて選ぶというのも楽しいものですよ。

 だから僕は、どんな辞書を選び、それを使ってどう遊ぶのかを、親と子どもで一緒に考えてほしいなと思います。こんなにたくさんの言葉があるんだよ、キミの知らない言葉もいっぱいあるから、いろんなことを知っていこうね…と。そして、最初の「あ」の項目を見て「なんでこんな言葉が載っているんだろう?」と思えるような柔軟な頭を、子どもにも大人にも持ってほしいです。

 ただ、今はそもそも親が日常の中で辞書を使っていない。ネットで「検索」しちゃうでしょう? 子どもが観るアニメや特撮に難しい言葉が出てきて、そこで「検索」するのは悪いことではありません。でも、辞書の魅力は効率じゃないんですよ。ある言葉の意味を調べていたら、別の言葉が目にとまり、ほかにもいろいろ調べたくなってくる。そういう辞書の面白さを知ってほしいなと思います。

金田一秀穂先生の【言葉の力がつく極意!】

 まずは、わかりやすいことが大事。自分が知っている言葉を引いて、違う辞書の説明と見比べてみるのも面白いと思います。できれば、親も日常の中で辞書を引いてみましょう。辞書は意外と楽しめるものですよ。

金田一秀穂先生監修「新レインボー小学国語辞典」

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