【金田一秀穂先生が語る言葉の力がつく子どもの学習法】総合力を身につけるということ

2020.01.02

 これからの時代に求められる力として注目されている「読解力」「会話力」「文章表現力」「語彙力」などの「言葉力」。新しい学習指導要領でも、言語能力の育成が目標に掲げられています。

「言葉力」をつけるには、どんな勉強法をすればよいのでしょうか。そんな疑問に、“国語の神様”金田一秀穂先生が、保護者とのQ&A形式でわかりやすくお答えします。

金田一秀穂先生

Q:読む・書く・話すの力をバランスよく伸ばすには?

「読む」と「書く」と「話す」。どれかはうまくできるけれど、どれかが苦手。子どもには、そういった場合が多い気がします。3つの能力をバランスよく伸ばし、総合力を身につけるには、どんなことを考えておくのがいいでしょうか?

A:まずは得意なことから伸ばしてゆくことが大切です

 そういう能力は成長と共に自然とバランスがとれていくものだから、あまりあせらずに、ゆっくりと取り組んでいくのがいいと思いますね。

 確かに、「話す」と「書く」というアウトプット(出力)はよくできるけれど、「聞く」と「読む」というインプット(入力)が苦手という子はいるかもしれません。あるいは、紙の上での「読む」と「書く」はできるけれど、音声での「聞く」と「話す」は苦手、という場合もあるかも。また、それらの逆もあります。

 でも、その結果がどうなるのか、大人にならないとわからない部分もあるんですよ。小さい頃は苦手だったことが、いつの間にかできるようになったりするし、反対に何かが得意でも、その能力をうまく伸ばせない人がいるでしょう? 僕の知り合いにも、昔から列車の時刻表が大好きで、東海道線の駅の名前を全部言える人がいました。でも、それが後で何かにつながったかというと特にない。

 先日も、小学5年生で『大漢和辞典』を読んでいる子に会ったけど、とてもよく漢字を知っていて、よく書けて、本当にすごかったんです。だけど、彼はその能力で将来どうしたらいいのかわからない。僕は「中国語を学びなさい。そして、中国の古典を読みなさい。面白いから」と伝えました。もし、それをきっかけに彼が古典の道でやりたいことを見つけられたら、才能はそこで初めて意味を持つんです。どんなに高い能力でも、どこにもつなげなかったら、それっきりです。

 英語も漢字も、読み書きをするための「道具」にしかすぎません。大切なのは、それを使って「何をするのか」です。そこを勘違いして「道具」を覚えることだけが目的になってしまうと、せっかくの能力を将来に活かすことはできません。

「読む」「書く」「話す」の中には、得意なことも苦手なこともあるでしょう。でも、自分がやりたいことを見つけて、そのためには得意なことだけではダメなんだと気づけたら、苦手なこともバランスよく学んでいけると思います。

金田一秀穂先生の【言葉の力がつく極意!】

「読む」「書く」「話す」の力は成長と共にバランスがとれていきます。また、子どもがやりたいことを見つけ、そのために苦手な能力も必要だと自分で気づけたら、それはバランスよく学ぶチャンスだと思います。

金田一秀穂先生監修「新レインボー小学国語辞典」

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