【金田一秀穂先生が語る言葉の力がつく子どもの学習法】子どものための辞書選びについて

2020.01.20

 これからの時代に求められる力として注目されている「読解力」「会話力」「文章表現力」「語彙力」などの「言葉力」。新しい学習指導要領でも、言語能力の育成が目標に掲げられています。

「言葉力」をつけるには、どんな勉強法をすればよいのでしょうか。そんな疑問に、“国語の神様”金田一秀穂先生が、保護者とのQ&A形式でわかりやすくお答えします。

金田一秀穂先生

Q:どうして語彙が豊富なほうがいいの?

 何かに対する感想などを子どもに質問して「面白かった」と答えたとき、「どう面白かったの?」と具体的に聞くと「わからない」と言われてしまいました。語彙が少ないからだと思うのですが、そもそもどうして、語彙が豊富なほうがよいのでしょうか?

A:1千画素より1万画素。クリアな方が伝わりやすい

「語彙が豊富なほうがいい」というのは、つまり「いろんな言葉を知っているほうがいい」ということです。よく言われるたとえですけど、言葉の数というのは、デジタルカメラの画素数みたいなものです。一千の画素で表現するより一万の画素で表現するほうが、正確でクリアに物が見えるようになる。同じように自分の気持ちも、一千の語彙で表現するより一万の語彙で表現するほうが、より多彩に表現できます。だから、語彙が豊富であることは大事だと言われるんです。

 特に日本語は、日常で使われる基礎的な語彙がやたらと多い。だからこそ語彙を増やすことは、表現の幅を広げることにもなるんです。とはいえ、家の中や家族間だけに通じる「家庭語」みたいな語彙を増やしても意味はありません。なぜなら、他人には通じませんから。知っておいたほうがいいのは、辞書に載っている、その言葉の「一般常識的な意味」です。

 でも、何よりも大切なのは、そこに“心”があるかどうかです。言葉に対して誠実に、本来の意味通りに使っているか、ということです。大人になると、それがうまくできないと、適当にごまかしちゃうこともある。だけど、子どもはきちんと教えれば、きちんと使えるようになるので、言葉を表面的ではなく、意味までしっかりと浸透させる。辞書を使って、そこから取り組ませることが重要です。

 ただ、その一方で「無理に言葉にしない」という感覚を持っていることも、同じくらい大切なものだと僕は思っています。まだ何も知らない赤ん坊にとって、世界は混沌としたものです。成長すると言葉が入ってきて、少しずつ整理されていくけど、どうしても不足分のズレが生じる。そこで言葉が足りない子どもは、泣いて手足をバタつかせるわけです。大人になるとズレは解消され、その欲求を言葉に置き換えられるけれど、途端に新鮮で瑞々しい感情の表現は失われていきます。そういう意味では、語彙の豊富さがすべての価値ではない気がしますね。

金田一秀穂先生の【言葉の力がつく極意!】

 たくさんの語彙を知っていることは、より正確に物事を表現できることにつながります。まずは、辞書に載っている言葉の「一般的な意味」を少しでも多く知っておくことです。

金田一秀穂先生監修「新レインボー小学国語辞典」

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