【金田一秀穂先生が語る言葉の力がつく子どもの学習法】文章を書く力はどうやって伸ばす?

2019.12.30

 これからの時代に求められる力として注目されている「読解力」「会話力」「文章表現力」「語彙力」などの「言葉力」。新しい学習指導要領でも、言語能力の育成が目標に掲げられています。

「言葉力」をつけるには、どんな勉強法をすればよいのでしょうか。そんな疑問に、“国語の神様”金田一秀穂先生が、保護者とのQ&A形式でわかりやすくお答えします。

金田一秀穂先生

Q:「文章がラクに書ける教材」は効果があるのか?

 作文や読書感想文が苦手な子どもは多いようです。最近は、定型文の余白に書き込むだけで感想文ができあがる「穴埋め感想文」という教材もあるのですが、そういうものを使ってもいいのでしょうか?「定型文しか書けない子どもになってしまうかも?」と考えてしまいます。

A:「作文」の入口としてならOK!「文章を書く」ことに慣れさせよう

 それを使って、定型文が書けるようになるなら立派です。文章を書くのが苦手な子どもというのは、その定型文すら書けないんですから。まずは定型文を書くところから練習すればいいわけで、その定型文で「これだけだと思ったことが書ききれない」と気づけば、自分で書き方を工夫するように発展していきます。

 そもそも文章というものは、一種のパターンでできているんですよ。「世の中には3つのことしか書かれてない」という説があります。1つ目は「AとBは同じ」、2つ目は「AとBは対立する」、3つ目は「AがあったからBになった」ということ。つまり「同定」と「対比」と「因果関係」です。世の中の論理はすべてそう組み立てられていて、あとは細かい話が肉付けされているだけ、というわけです。きっちりした文章が書ける人というのは、それができているんです。

 だから、定型文に当てはめるやり方は、決して悪いことではない。日記や読書感想文は、あくまで課題のひとつでしかないので、パターンに落としこんでしまうのは、方法としてはアリです。ただ、本当の意味で文章力を身につけるには、言葉そのものの表現力を高めていくほうが大事だと、僕は思いますね。

 僕はときどき授業で大学生たちに「作文」を書かせるんですけど、まず一冊の本を読ませて、その内容を説明してもらうんです。そうすると、彼らはすぐに「感想文」を書きたがる。「このように書かれていたので、私はもっと調べたいと思う」とか。でも、心にも思ってもいない「感想文」は書かないでほしい。それよりも内容だけをキッチリと説明して、一体どんな本だったのかを教えろ、と言っているんです。それが「文章を書く」ということの練習になるわけですから。

 そのための題材はアニメの『となりのトトロ』でもいいんです。作品の世界を徹底的に言葉だけで表現して、なんの個人的感想も交えずに最後まで書けたら、それは感動的な物語になるはず。表現力のある「作文」とは、そういうものです。

金田一秀穂先生の【言葉の力がつく極意!】

「作文」の入口として、定型文を使うのはOK。まずは「文章を書く」という行為に慣れることが大事。定型文だけでは伝えきれないものがあると気づけば、そこから自分なりの表現力を身につけていくと思います。

金田一秀穂先生監修「新レインボー小学国語辞典」

辞典書影

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