『江戸めぐり雨』は池波正太郎や松本清張などの時代小説の名手と呼ばれる方々の作品を一度に堪能できる短編小説集。7編ある短編はすべて「めぐる」がテーマとなっており、読み進めていくうちになにが“めぐる”のかはっきりしてくる。どの話もすっきりと終わるので読んでいて気持ちがよかった。
私は時代小説を読むのがはじめてで、江戸ならではの言葉遣いや描写などがとても新鮮で、はじめは慣れなかったがすぐにその世界観に引き込まれて夢中になれた。江戸を舞台に様々な物語が繰り広げられるが、どこかモダンな感じがして読みやすい。そのため私のように時代小説を読んだことのない人でも、挑戦しやすい作品だと思う。当時の厳しい政治体制の中で生きる人々の様子も垣間みることができるので、歴史が好きな人ならばさらに楽しむことができるだろう。江戸の情緒や人情を感じることができ、歴史的観点から見ても、もちろん純粋に小説として読んでもおもしろい作品であった。
ささい/女性/20代
感想文を募集中!
本を読んだ感動を伝えたい!という方、オススメしたい本があるという方は、 応募フォームから、感想文を送ってください。
コメント欄に「読書くらぶ」と明記のうえ、下記のご記入をお願いします。
【1】読んだ本のタイトル
【2】著者名(翻訳本の場合は、翻訳者名も)
【3】発売元(出版社名)
【4】本の感想
送っていただいた感想文の中から、毎週1人、掲載させていただきます。
作品紹介
池波正太郎、北原亞以子、松本清張、村上元三、諸田玲子、佐江衆一、山本一力ら昭和・平成の名手たちが描く、めぐる因果と人の情け――。歴史・時代小説文芸評論の第一人者・縄田一男が編む、傑作時代小説アンソロジー!
縄田一男・編
定価:本体660円+税/学研プラス
バックナンバー
- お金はお金。「必要なのかそうではないのか」を考えることでお金は貯まる。
- 本当の平等って? 幸せって? 暮らしをつくるあたらしい資本論
- こうあるべき、こうしないといけない、そんなことは書いていない殿さま狸
- 日本刀の名称から名刀にまつわる逸話まで
- 沖縄戦を率いた弱冠24歳の大隊長・伊東孝一の知られざる記録
- たった一分の習慣が一生を変える!幸せな人生を送るための49のヒント
- 人は人、自分は自分。たくましく生きるためのヒントが詰まった一冊
- 「天才の机は汚い」というのは幻?
- 感じて、妄想して、味わう。山城の美しさはその存在感にあり。
- 人生は「習慣」の積み重ね。幸せになれる習慣とは?
- 「五感を信じる」
- 「神様は嫉妬心のない人が好き」
- 「木村藤子という心がまえ」
- 「僕が愛をうけとった日」
- 「シロクマ・ピースというぬくもり」
- 「優しい気持ちになれる本」
- 会話に自信を持つための『一瞬で心をつかむ話し方』
- 気持ちの持ちよう次第で、自分の理想的な人間像に近づける
- 自分だけの“こたえ”の見つけ方
- 尾木ママが教える「パパママもジイバアも幸せになる孫との接し方」
- 『風の旅』に読む、人の正直さ
- 「頑張っていれば必ず誰かが見ている」ということ
- ハングルがもっと身近な存在になる!
- 運気は自分であげられると確信した瞬間
- 『愛、深き淵より。』その意味を考える
- 美人とブスの違い、その差はどこに表れるのだろうか、顔?性格?所作?
- うつろ屋軍師
- わたしはマララ