1つの自分に、絞らなくていい。 複数の自分の分身から、 自分が選べばいい。
中谷彰宏『嫌いな自分は、捨てなくていい。』セレクション
よく、「自分の軸を持ちなさい」と言われます。
ここで、「軸は1本しかない」という勘違いが起こります。
人間は、自分の中にいろいろなキャラクターを持っています。
軸は、1本ではありません。
いろんな軸がかたまって、1つの束になっています。
「軸は1本」と思うと、最も弱くなります。
1本の軸では、対応できることが限られるのです。
軸がたくさんあるのは、人間がいろいろな状況で存在しているからです。
たとえば、みんなに見せる顔と恋人に見せる顔は違います。
みんなには、「気の強い女」と思われています。
彼の前では、「甘える女」です。
この2つの軸があるから、ポッキリ折れずにすむのです。
彼の前で強い女を出しても、楽しくありません。
仕事をしている時に甘える女を出すと、仕事になりません。
よけいな勘違いをされるだけです。
軸を使い分ける人は、軸がブレません。
1本に絞ろうとすると、逆にブレブレになります。
「甘える女」に統一すると、仕事の時に怒られます。
「強い女」に統一すると、彼とはケンカになります。
ここで、「どちらがいいのか」という迷いが生まれるのです。
軸は、無限にあります。
自分は「1人」ではなく、「チーム」です。
状況に応じて、複数の自分の分身から、自分が選べばいいのです。
サッカーでは、作戦や状況ごとに最も適した選手を出していきます。
それと、同じです。
たとえば、接待では甘える系の自分を出します。
交渉では、強い系の自分を出します。
「軸が定まらない」と言っている人は、たくさんの自分の軸にリストラをかけようとしているのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
嫌いな自分は、捨てなくていい。
メンタルを強くする67の方法
仕事でも恋愛でも、メンタルが強い人がうまくいく。メンタルは生まれつきではなく、磨くことができる。メンタルを強くする方法。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 「好きなこと」を探すのではない。 「それをしているのが好きな自分」を 探すのだ。
- リストカットは、死にたいのではない。 嫌いな自分を殺して、 好きな自分を生かしたいのだ。
- 新しい分身は、 新しい体験・新しい勉強・新しい出会い から生まれる。
- ガマンするのではなく、 感情をコントロールできる力をつける。
- 負荷とは、仕事の量だけではない。 したことがないことをすることも、負荷だ。
- 負荷から、工夫が生まれ、結果になる。 結果を先に求めると、メンタルが弱くなる。
- メンタル力は、先天的なものではない。 負荷をかけることで、アップする。
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