負荷から、工夫が生まれ、結果になる。 結果を先に求めると、メンタルが弱くなる。
中谷彰宏『嫌いな自分は、捨てなくていい。』セレクション
たとえば、ジムで、7回しか挙げられなかったバーベルを、頑張って10回挙げます。
20キロ挙げられる人が、25キロに挑戦します。
これが、負荷です。
「自分に何か負荷をかけていることがありますか」と聞くと、「特にありません」という答えが返ってきます。
「何か頑張っていることはあるんじゃないの」
「頑張ったんですけど結果が出なかったので、特にありません」
と言うのです。
この人は、「負荷」と「結果」を混同しています。
順番としては、まず初めに負荷をかけます。
負荷をかけた分だけ、工夫が生まれます。
それが、結果につながります。
負荷をかけている段階においては、結果は出ないのです。
結果を先に求めると、「どうしたらラクに結果を出せるか」と考えるので、自分に負荷をかけなくなります。
たとえば、どう見ても10日かかる仕事があります。
それを、1週間以内に仕上げるように言われます。
プラス3日分の負荷がかかることで、工夫が生まれます。
その結果、1週間でできてしまいます。
最初から「ムリだから10日にしてください」「量を減らしてください」と言うのは、結果から入る考え方です。
いったん負荷を減らすと、どんどん負荷を減らすほうに進みます。
負のスパイラルに陥って、メンタルが弱くなっていくのです。
「もっとラクにできる方法を知りたいのに」という不満を言う人がいます。
その人は、根本的に間違っています。
どう負荷をかけて、どう工夫するかです。
「ラクになりたい」と言う人は、結果を先に求めています。
ラクになろうとすればするほど、今まで7回挙げていたものを「5回でいいや」ということになります。
それをすると、その一瞬ラクはできても、力はだんだん弱っていきます。
いつまでたっても、本当の意味でラクにはなりません。
工夫をすることで、メンタルは強くできるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
嫌いな自分は、捨てなくていい。
メンタルを強くする67の方法
仕事でも恋愛でも、メンタルが強い人がうまくいく。メンタルは生まれつきではなく、磨くことができる。メンタルを強くする方法。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 「好きなこと」を探すのではない。 「それをしているのが好きな自分」を 探すのだ。
- リストカットは、死にたいのではない。 嫌いな自分を殺して、 好きな自分を生かしたいのだ。
- 新しい分身は、 新しい体験・新しい勉強・新しい出会い から生まれる。
- 1つの自分に、絞らなくていい。 複数の自分の分身から、自分が選べばいい。
- ガマンするのではなく、 感情をコントロールできる力をつける。
- 負荷とは、仕事の量だけではない。 したことがないことをすることも、負荷だ。
- メンタル力は、先天的なものではない。 負荷をかけることで、アップする。
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