「朝起きた時に、ぼんやりして、なかなか目が覚めなくて、仕事のヤル気が起きないんですけど」と言う人がいます。
当たり前です。
朝起きて、ヤル気満々の状態になっても、体はまだ寝ているのでケガをします。
腰を痛めるのは、朝に多いのです。
朝は、「ボーッとしている」→「だんだん頭が目覚めてくるのと同時に、体も温まって目覚める」→「だんだん動きたくなる」→「その気持ちに合うように、体の動きが速くなる」という流れです。
そういう頭と体のバランスがちゃんとできているので、ムリにヤル気を出して動かなくていいのです。
ボイストレーニングでは、「朝一番に大きい声を出してはいけない」と言われています。
午前中は、のどの温度がまだ下がっていて、かたくなっています。
そこでムリに大きい声を出すと、のどを壊してしまうので、声を使う仕事のプロは、午前中にあまり大きい声を出しません。
頑張る人は、朝起きてすぐに動けないと、「朝起きてヤル気がないということは、自分はダメな人間じゃないか」と、つらくなります。
ダメ人間は、そんなことは考えません。
本当のダメ人間は、まったく頑張っていなくても「まあ頑張ってるほうだよね」と考えます。
お互いに現実と逆の発想をするのです。
「どうしたら頑張れるんでしょうか」と相談をしてくる人は、すでに頑張っている人です。
すでに頑張りすぎているのに、まだ頑張ろうとするのです。
美人ほど美容整形をしたくなるのと同じです。
朝起きた時にボーッとしているのは、体が副交感神経優位の状態だからです。
人間は寝る時、交感神経から副交感神経に徐々にスイッチを切りかえます。
だから眠れるのです。
脳の中のスイッチの正常な切りかえは、なだらかに起こります。
だんだんヤル気が湧いてくるのは、副交感神経から交感神経にだんだん切りかわっているだけのことです。
すぐにヤル気が出ないからといって、「自分はダメ人間」と考えなくていいのです。
(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載予定です。次回は2月5日掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
大人気の中谷彰宏「うまくいくシリーズ」。「頑張り方」を変えるだけで、仕事も、人間関係も、恋愛も、楽しめる方法を伝授。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- リスペクトがあることは、頑張らなくても、淡々とできる。
- 断られたのは、相手の状況にマッチしていなかっただけ。
- 体のメンテをする。
- ガマンするより、SOSを出せるようになる。
- ヤル気は、1つずつすることで、湧いてくる。
- 「こんなに頑張っているのに」が、しんどくなる。
- ヤル気のある日とヤル気の出ない日があっていい。
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