「ヤル気を出したいのですが、どうしたらヤル気が出るんでしょう」という質問をする人がいます。
頑張る人はすでに頑張っているのに、「ヤル気を出す方法が見つからない」と言って、結局、やめてしまいます。
100%しているのに、150%しようとして、0%になるのです。
それでは元も子もありません。
ヤル気の出し方は簡単です。
1つ1つすればいいのです。
部屋を片づけられない人は、一気に1トンぐらい捨てようとしています。
片づけられる人は、とりあえず今日は新聞だけ、パンフレットだけ、レジ袋1つ分の雑誌だけ捨てるということができます。
何か1つ行動することによって、脳の中の側坐核でヤル気スイッチが入ります。
1つすると、もう1つ何かしたくなるのです。
いきなり1トン捨てようとしても、できません。
むしろ散らかして終わりです。
ヤル気は最初から持っているわけではありません。
小さい行動をすることによって、次のヤル気のエネルギーが無限に湧いてきます。
そのエネルギーを、ただ単純に波のように継続させていけばいいのです。
ヤル気は、一筆書きです。
間違った頑張り方の人は、ヤル気を1回出して終わらせて、1回出して終わらせてという形になります。
ボールルームダンスでは、エネルギーを出すのは最初の1回だけです。
最初にポーンと出して、あとはその余力でそのまま進んでいきます。
初心者は「1、2、3、1、2、3」のタイミングでエネルギーを出しています。
上級者は「1」で全部出します。
最初の「1」のエネルギーを逃がさないで、そのまま最後まで運んでいくことが大切です。
(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載予定です。次回は2月12日掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
大人気の中谷彰宏「うまくいくシリーズ」。「頑張り方」を変えるだけで、仕事も、人間関係も、恋愛も、楽しめる方法を伝授。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- リスペクトがあることは、 頑張らなくても、淡々とできる。
- 断られたのは、相手の状況にマッチしていなかっただけ。
- 体のメンテをする。
- ガマンするより、SOSを出せるようになる。
- ヤル気は、1つずつすることで、湧いてくる。
- 起きてすぐ全速力にすると、クルマも人も、壊れる。
- 「こんなに頑張っているのに」が、しんどくなる。
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