《3》忙し過ぎると、成長しない。

千田琢哉『生き残るための、独学。』セレクション

更新日 2020.07.30
公開日 2018.07.02
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これまで経営コンサルタントとして、様々な組織を見てきた。

ここで断言できるのは、忙し過ぎる組織ほど成長しないということだ。

それどころか、忙し過ぎると徐々に衰退し、まもなく崩壊へと向かうのだ。

組織が成長できない場合は、構成員である人も成長できない。

その理由は、忙し過ぎると勉強する時間がなくなってしまうためである。

忙し過ぎる状態とは、儲かっているように見えて、

最終的に労働の費用対効果が、

とても悪くなる状態である

という事実が判明したわけだ。

ヨーロッパに日本よりも労働時間が少ない先進国が多いことの理由は、

彼らが「存続」を重んじるためである。

彼らの仕事のスタイルは短距離走で精根尽き果てるものではなく、

長距離走で何百年と継続するやり方を重んじる。

そのことは、世界規模で隆盛を誇る老舗ブランドの多くが、

ヨーロッパ諸国を中心に生まれていることからも容易にわかるはずだ。

 

私は大学時代に、以上のことを読書によって予習していたため、

社会人の最初から「いかに勉強時間を捻出し、成長し続けるか」を真剣に考えた。

仕事は確かに大切だが、

仕事だけに集中していては

幅が狭い人間になってしまう。

それでは将来、本を書く際、価値観の狭い本しか書けないことを恐れたわけだ。

だから、絶対に文句を言われないよう仕事を完璧にこなしつつ、

極限まで仕事の時間を圧縮した。

そうして捻出した空白の時間、私は「行方不明」となり勉強に没頭したのである。

今だから正直に告白するが、外回りを装って出かけて、

地下鉄の1日乗車券を利用して、車内で本を読みふけった。

大阪市営地下鉄の

「長堀鶴見緑地線」「千日前線」は

私のお気に入りで、

「隠れ家兼自習室」として何往復したかわからない。

転職先の経営コンサルティング会社でも、

猛スピードで仕事を終わらせて空白の時間をつくった。

出張先ではさっさと仕事を終わらせ、ホテルに缶詰め状態になって本を読み、

空港の待ち時間や新幹線の車内でも勉強ばかりしていた。

その結果、勉強によって幅広い知識や教養が獲得できたことに加え、

仕事の面でも驚くほどの成果を上げられるようになった。

早く終わらせて勉強したいために、猛スピードで仕事ができるようになったし、

勉強により実力が上昇し、さらに質の高い仕事もできるようになったのだ。

(※この連載は、毎週月曜日・全8回配信予定です。次回は、7月9日10:00配信予定です)

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

生き残るための、独学。
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