「子どもと料理」は効果的な体験学習

就学前の学び・小学生の学び・子育て

公開日 2018.04.19
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 「何を作っているの?」「どうやって切るの?」「これは何に使うの?」などと、料理を作っていると、子どもは目をキラキラさせながら、興味津々に話しかけてきます。子どもと一緒に料理をすることは、子どもの成長にとって、コミュニケーション能力を高めたり、段取りをつける論理的思考を育んだりといった、さまざまな効果をもたらすと言われています。

 机に向かってする勉強では学べないことを、実際の体験を通じて学ぶ学習を体験学習と言います。子どもとの料理は家庭で手軽にできる体験学習の一つです。今回は、親子で料理をすることで得られる具体的なメリットと親子で料理を楽しむおすすめの方法を紹介します。

親子で料理をすることのメリット

 親子で料理をすることの具体的なメリットとして、次の5つがあります。

1.親子のコミュニケーションが増える

 親子で料理をしていると、自然に会話が生まれます。メニューを考えたり、買い物に行ったりと一緒に過ごす時間も増えます。また、食材について話をしたり、調理方法を説明するなど、さまざまなコミュニケーションを取ることで、親子の絆が深まります。

2.五感を鍛える

 料理をすることは、味覚・聴覚・嗅覚・視覚・触覚という人間にとって大切な五感を鍛えることができます。五感を鍛えることで、脳が活性化し、表現力や創造力が豊かになります。

3.段取り力・変化対応力・創造力が鍛えられる

 料理とは、メニュー決めや必要な食材の調達、調理や盛り付けをするだけではありません。食事をする時間と調理する時間を考えて調理を始めたり、冷蔵庫にある食材からメニューを考えたり、家族の好き嫌いを考えたりと、さまざまなことを考えながら料理をしなければなりません。

 一つの作業を順番通りにこなすだけではなく、時間を逆算したり、メニューや食材の変更、調理方法を工夫したりする必要があります。状況に応じて最善の方法を考えることで、段取り力や対応力、創造力が鍛えられます。

4.食材について学び、感謝する心が育つ

 実際に料理をすると、できあがった料理を見たり、食べたりするだけではわからないことを知ることができます。お米や野菜、調味料などさまざまな食材に触れる機会ができるからです。子どもに食材の産地や旬、調味料の製造方法などを話すことで、さまざまな知識が身につきます。また同時に、食材を作ってくれた人や食材に対する感謝の心を育むことができます。

5.科学力を身につける

 「料理はアートだ」という人もいれば、「料理は科学だ」という人もいます。切る・焼く・煮る・揚げるなどの調理方法や醤油などの発酵食品の製造方法、野菜や肉など生鮮食品の鮮度の保ち方など、料理をすることでさまざまな科学の知識を得ることができます。「何で、こうなるのだろう」と親子で疑問に思ったことを調べてみると、ますます料理が楽しくなります。

親子で料理を楽しむ方法

 それでは、親子で料理を楽しむ方法にはどんな方法があるでしょうか。おすすめの4つの方法を紹介します。

1.日常生活でのお手伝い

 普段からなるべく一緒に台所に立って、料理を楽しみましょう。宿題などで、最初から最後まで時間が取れない時は、食材を切ったり、食器を運んだりなど、毎日、何かお手伝いをする習慣を身につけさせましょう。

 就学前や低学年の子どもには、食材を混ぜたり、簡単な盛り付けを頼んだりと、ケガをする心配のないお手伝いからスタートするといいでしょう。小さなころから少しずつ体験を積むことで、料理に興味を持ってくれるようになります。

2.誕生日などのイベントに特別な料理を作る

 誕生日などのイベントに、豪華な料理やケーキなど、特別なメニューを一緒に考えて作ってみましょう。普段の料理には興味のない子どもも、ワクワクしながら一緒に料理を楽しむことができます。

3.キャンプをする

 大自然の中に出かけて、キャンプをしてみましょう。バーベキューや飯ごう炊さん、ダッチオーブン料理など、いつもとは違う調理道具や食材を使って、親子でワイワイと楽しみながら料理をしてみましょう。日常生活とは違う環境での料理は、失敗することもあるでしょうが、子どもにとって貴重な体験となります。

4.料理教室に親子で参加

 最近は、親子で参加できる料理教室やクッキングイベントが開催されています。家庭の中だけで料理をしていると、メニューの種類も限られて、おなじみのメニューばかりになりがちです。親子で料理教室に参加して、新しいメニューにチャレンジしてみましょう。また、親子で協力して料理をすることで、絆が深まります。

 親子で料理をすることのメリットと親子で楽しむ4つの方法をご紹介しました。最近では、男女を問わず、料理ができるということが身につけておきたい能力と言われています。子どものころから、親子で料理をすることは、料理を覚えるだけでなく、これから生きていく上で必要なさまざま能力を子どもに身につけさせることができます。ぜひ、親子で料理を一緒に楽しんでみましょう。

 

ライター:岩田園絵
プログラミングや英語、ピアノ、ゴルフなどの教室や体験学習に奔走しつつ、子育てに力を注ぐママライター。高校生と小学生の子どもと忙しい日々を過ごす。暮らし、医療、グルメなどさまざまなジャンルの記事を執筆。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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