【小学校5年生・6年生】の国語力アップ! 考え方が広がる読書と会話のコツ

小学生の学び・子育て

公開日 2018.10.10
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高学年の国語は、“感想”から“意見”にレベルアップ

 高学年(小学校5年生・6年生)は、自我が確立されてくる時期。周りが気になって発言が少なくなったり、その反動できつい言葉が出てきたりするのも高学年世代のお子さまの特徴です。その一方で、鋭い感性が育ち始め、しっかりした考えで意見交換をする力が備わってくる時期でもあります。

 そういった成長に合わせて、国語指導のねらいもレベルアップします。中学年(小学校3年生・4年生)では「相手に伝わるように、理由や事例などを挙げながら、話の中心が明確になるよう話の構成を考える」「調べたことを話したり、それらを聞いたりする」が目標でしたが、高学年では「事実と感想、意見とを区別する」「話し手の考えと比較しながら、自分の考えをまとめる」「それぞれの立場から考えを伝える」といった、より客観的な視点を持った意見交換への成長が求められるようになってきます。(※)

高学年で身につけたい「伝え合う力」

 小学校の国語科では『聞く・話す・読む・書く』に加えて、これらを組み合わせたコミュニケーションスキル、いわゆる「伝え合う力」を育むことを目指しています。6年間を通して段階的に難易度が上がり、高学年では主に次のようなことを学ぶようになります。

・情報を活用して伝える

 私たち大人が何かを伝えようとするとき、本に書いてあったことを話したり、イラストやグラフ・図を使ったりしてわかりやすくします。こういった「引用したり、図表やグラフなどを用いたりして、自分の考えが伝わるように書く」情報活用能力も、高学年から力を入れて育てたいチカラです。授業では、複数の書籍から情報を集めて整理したり、引用したりできるようになる、グラフや図解、動画など視覚的な効果も活用するといったまなびが始まります。(※)

 

・相手の側に立って考える力を身につける

 先述した「話し手の考えと比較しながら」「それぞれの立場から考えを伝える」ことは、相手の側に立って考えることにつながります。高学年になると会話の内容も複雑になり、人に伝えることの難しさを経験するようになります。生活範囲が広がる中学校進学を見据えて、高学年のうちに身につけ始めたいチカラですね。

「情報活用能力を育てる」「異なる意見を知る」高学年の読書の仕方

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 相手の側に立って考えるためには、人にはいろいろな考え方があって、立場によっても変わってくることを知るという体験を重ねていくことが必要です。そこで、高学年のうちにぜひ身につけたいのが、ご家庭での読書を日常的な習慣にすること。さまざまな本を読むことは、人は自分とは違う意見や気持ちを持っていることを知る経験となって、相手の立場を考えることにつながり、お子さまの考え方を広げる大きな手助けになるでしょう。

 また、お子さまが「情報活用能力」を育てられるよう、ご家庭で調べものをする際には、複数の本や新聞を活用することを勧めていきたいもの。同じテーマで複数の資料にあたることは、多角的に物事を捉えるほか、人によって見方が違うことを知るきっかけにもなります。

ご家庭での国語力アップのサポート、難しめなテーマにもチャレンジ!

 相手の立場を考えたり、情報を活用して伝えたり、高学年の国語は日常生活から社会生活への準備という目的を感じます。ご家庭でも、過ごし方や会話を工夫して、国語力アップのサポートをしていきたいところです。

 たとえば、ノンフィクションや社会課題を描いたテーマなど、これまで保護者さまが「まだ難しいかな?」と感じていたような、テレビ番組を見たり、書籍を一緒に読んだりしてみましょう。

 たとえば、2020年の東京オリンピックに向けてのサマータイム、環境問題(リサイクルとごみ)など、「どうしたら解決するのかな?」「私はこう思うのだけど、どうかな?」と、ぜひ保護者さまから疑問や提案を投げかけてみてください。各社から発刊されている「小学生新聞」を題材にするのもよいアイデアです。意見を交わして議論する楽しさを一緒に体験することで、伝える力・考える力を鍛えることができますよ。

 また、昔話や児童向けの小説など、物語を読むことも国語力アップには欠かせません。高学年になると物語上の世界観や時代の違い、登場人物の考え方などを、自分と比較して想像する力も備わってきます。さまざまな物語に親しむことは、自分の生き方を考え始めるよいきっかけづくりにもなります。

 また、保護者さまから情報の集め方・調べ方を教えてあげることも、国語で求められる「情報活用能力」アップには効果的。図書館やインターネットでわからないことを一緒に調べるのも楽しいものです。まずは、お子さまが興味のあるテーマから始めてみてはいかがでしょうか。

(※参考:小学校学習指導要領 H29.3告示)

 

ライター:大内 春香
 女の子2人の二児のママライター。整理整頓やグルメなど生活全般の記事を手がけているが、子育てしていくうちに育児や教育関連の記事を多数執筆するように。親子で一緒にできる家事やイベントを探してはチャレンジの毎日。

 

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※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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