ネットの利用は注意が必要! 個人情報を守るためのセキュリティ対策とは?

子育て

公開日 2018.04.10
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 情報収集やショッピング、学習、趣味の習得など生活のありとあらゆるシーンで活用されているインターネット。最近では、子ども向けのコンテンツやアプリも豊富で、さまざまな年齢層に利用されています。しかし便利な反面、個人情報の漏えいや有害な情報の意図しない入手など、問題点もたくさんあります。

 そこで、安全にインターネットを利用するために、注意すべきポイントやご家庭でのルール作りについてご紹介します。

思わぬ行為が個人情報流出のリスクに、って何?

 情報の受信だけではなく、発信も行えるインターネットは、膨大な情報が手に入れられる反面、個人の大事な情報が流出してしまう危険性もはらんでいます。

 住所、氏名、連絡先などの個人情報が流出し、迷惑メールや強引なセールスなどの迷惑行為や、詐欺などの金銭的なトラブルに巻き込まれる例も後を絶ちません。そのほとんどが、ちょっとした不注意から起こっています。実際にトラブルの原因になってしまった個人情報流出のきっかけには、以下のようなものがあります。

・プレゼントがもらえる、謝礼品がもらえるモニター募集など、魅力的な誘い文句にのせられて、悪意のあるサイトに個人情報を送信してしまった。
・FacebookのようなSNSや、LINEのようなメッセージアプリで、プライバシーの公開範囲の設定を誤り、不特定多数の人に、趣味や好み、家族構成などの情報が公開されてしまっていた。
・友達の名前を検索し、同姓同名のアカウントに、本人か確認もせず不用意にコンタクトをとってしまった。
・友達申請をされた際に、本当に友達かどうか確認せずに受け入れをしてしまった。
・子どもを撮影した写真に駅や特徴のある建物が写っており、生活している場所を特定されてしまった。
・友達と映った写真をアップして、友達の名前と写真が友達を知らない人にまで流出してしまった。

 思わずハッとするような内容はなかったでしょうか。ちょっとした不注意で自分だけではなく、子どもや友人まで危険にさらしてしまう可能性があるのが、個人情報の流出です。

 実際にこれらが原因となった情報流出で、ほとんど面識のない人が訪ねてきたり、勝手に写真やプロフィールを利用されてしまったりといった被害を受けた方もいます。

 犯罪などの深刻なトラブルに巻き込まれることを避けるためには、プライバシーにかかわる情報をしっかりと把握し、発信する情報を見極める必要があります。

個人情報ってどんなもの?

 まずは注意すべき個人情報についてよく理解しておきましょう。個人情報保護法など、プライバシーを守る法律で対象とされている「個人情報」は、生存する個人に関する情報全体のことです。住所や氏名、年齢、生年月日などに限らず、ほかの情報と結びつくことで個人を特定できてしまう要素も含まれます。

 つまり、体の特徴や年収、家族構成、どこの大学を出て、どこの会社で何年働いた、どんなショップで何を買った、図書館でこんな本を借りている、なども個人情報となる可能性があるのです。ポイントは個人を特定できる情報かどうか、という点です。例えば苗字だけでは個人を特定できない場合がほとんどですが、これに住所や勤務先、性別などが加わると個人情報となります。

自分自身でできるセキュリティ対策

 自分の不注意だけではなく、個人情報を入力したサイトのセキュリティレベルが低かったり、コンピューターウィルスなど、悪意あるプログラムによって知らないうちに個人情報が流出してしまうこともあります。危険なサイトの見極めや、インターネットを安全に使うためのポイントをいくつかご紹介いたします。

1.サイトの安全性を確認!URLの始まりが「https://」になっていますか?
 個人情報入力の際は、SSL暗号化通信を採用しているサイトか確認しましょう。

 SSLはSecure Sockets Layerの略で、インターネット上のデータのやり取りを暗号化して行うものです。採用されているサイトでは、URLが「https://」になっています。

2.プライバシーポリシーの表記を確認!
 個人情報保護法の遵守について、サイトにきちんと示されているかをチェックしましょう。「個人情報保護法」は、個人のプライバシーを守るために、個人情報取扱機関に対して、情報を守るためのさまざま義務を課した法律です。サイトの運営会社が個人情報の収集をする場合、これらの利用範囲などをしっかりと明示することが義務付けられています。

3.セキュリティソフトを導入する
 ウィルス対策だけではなく、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺を防げるセキュリティソフトもあります。パソコンでインターネットを使う際はセキュリティソフトを利用するようにしましょう。

子どものインターネット利用で気をつけること

 子どものインターネット利用も増えており、有害サイトやアプリから個人情報が流出してしまったという事例も後を絶ちません。

 子どもがパソコンやスマートフォンを使用する場合は、子どもが閲覧するのに適さないサイトを制限するフィルタリングの設定をしておくことをおすすめします。

 また、設定などで制限をするだけではなく、ご家庭で利用に関するルールを作っておくことも重要です。ルールには以下のような例があります。

1.住所や氏名などを入力する画面が出た場合は、入力前に必ず保護者に相談する
2.利用したいサイトやサービスを保護者と一緒に確認する
3.どんなサイトを見たのか、利用したのかという情報を共有する
4.知らない人とインターネット上で連絡を取り合わない
5.友だち同士で情報のやり取りをする際は、特定の人に対する悪口や、プライベートな情報(名前や連絡先、写真など)などを書き込まない

 不用意に発信した情報が、コピーや転載されてしまう危険性もあります。個人情報が流出すると、子どもが被害者になるだけではなく、加害者になってしまうこともあります。ご家庭でしっかりルールを確認し、子どもが安全にインターネットを利用できるようにしましょう。

 ITリテラシーの高さが求められる今後の社会では、インターネットの危険性を恐れて遠ざけるのではなく、危険を知ったうえでうまく利用することが重要になってきます。ここに挙げたセキュリティ対策やルール作り以外にも、保護者同士が情報交換をするなど、大人がしっかりと子どもを見守りながらインターネットを利用できる環境を作ることが大切です。

 

ライター:上田 理津子
教育関連からグルメや生活関連のライティングまでこなす女性ライター。
幼稚園教諭5年間、図書館児童書担当2年間、保育園事務3年間など、子どもの保育・教育現場に長年携わり、今も教育に関する高い関心を持っている。

学研まんがでよくわかるシリーズ「サイバーセキュリティのひみつ」ご紹介

 セキュリティ対策について、いざ説明しようとすると、お子さまが理解できるように説明するのはなかなか難しいものですよね。

 「サイバーセキュリティのひみつ」では、難しい内容もわかりやすく解説してあり、インターネット上で情報を守ることの大切さが、お子さまにも理解しやすく説明されていますよ。
学校の図書室や図書館で見つけたら、ぜひ一度読んでみてくださいね。

「学研図書ライブラリー」で試しよみ

 親子で情報セキュリティについての理解を深め、安全に情報機器を扱える力を身に付けていきたいですね。(ハッケン!みっけ隊)

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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