レストランでオススメのデザートを聞くと、シェフに「オススメは、当店自慢の○○でございます。私個人的には、△△が好きです」と言われました。
それを聞いたお客様は、「じゃあ、△△にします」と言いました。
お店のオススメより、個人的意見のほうが圧倒的に影響力が強いのです。
取材に来た人でも、インタビューが終わったあと、ライターとしての自分を相手に売り込んでおくと、別の仕事の依頼につながる可能性があります。
「これは取材とは関係ないんですが、個人的なことを伺っていいですか」と言われると、取材された側はインタビュアーを覚えます。
たとえば、講演をする前に控え室に、「今日、中谷さんのお話を聞くのを楽しみにしていました。会場はこちらです」と案内の人が来ました。
会場へ移動するために乗ったエレベーターの中で、
「せっかくだから、個人的な質問があったらここで聞いておこうか」
「いいですか。すごい個人的な恋愛ごとなんですけど……」
というやりとりで、アドバイスをした人のことは記憶に残ります。
ところが、「何か個人的な質問ある?」と聞いた時に、「ありません」と言われたら、「『楽しみにしていた』という言葉はなんだったんだろう」と思います。
個人的な意見を言うことで、チャンスをつかめるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
プレゼンは、チャンスをつかむきっかけ。自分のアイデアをどう提案して、夢を実現していけばいいのか?を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- うな重のふたは、 同時にあける。
- アシストが、ゴールを決める。
- 話し手からの質問が、 聞き手を遠ざける。
- ロジックが、世代を超える。
- 説明は、伝わらない。 描写が、伝わる。
- まず1人、 熱狂的な支持者をつくる。
- プレゼンとは、 ちょっといい提案だ。
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