目に見えるもので、「どっちがいいですか」と言うのは簡単です。
企画やアイデアは、目に見えないものだから、難しいのです。
目に見えない新しいものを提案する時に、「これは当たりますよ」「ウケますよ」「盛り上がりますよ」と説得するのは、きわめて感覚的なことです。
見えない感覚を、感覚で説明しても伝わりません。
感覚的なものであるほど、ロジック(論理)で伝える必要があります。
世界の共通の言葉は、英語ではありません。
ロジックです。
ロジックは、英語だろうが、フランス語だろうが、スペイン語だろうが、中国語だろうが共通です。
どんなに英語ができても、ロジックがなければ、通じないのです。
日本語でも、ロジックの話し方と感覚の話し方があります。
日本は、比較的感覚でも通じるローカルルールがあります。
「私が言わんとしていることはわかりますよね」「結婚してから、いちいち奥さんに『愛しているよ』と言わなくてもわかるだろう」「部下には背中で教えるんだ」と言うのは、感覚の話し方です。
大切なのは、言葉よりロジックです。
ロジックは、国境を超えるだけでなく、世代を超えます。
世代が違う相手にプレゼンで通すには、感覚では難しいです。
ロジックなら、世代を超えることができます。
チャンスを逃がす人は、自分がロジックの破綻した話し方をしていることに気づきません。
本人の頭の中に、ロジックがないからです。
ロジックのない人は、人の話もロジックで聞きません。
それでは、ロジックが破綻している話もなんとなく聞いてしまい、「今の部分、ちょっとわからなくなった」と言えないのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
プレゼンは、チャンスをつかむきっかけ。自分のアイデアをどう提案して、夢を実現していけばいいのか?を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- うな重のふたは、 同時にあける。
- 個人的な意見が、強い。
- アシストが、ゴールを決める。
- 話し手からの質問が、 聞き手を遠ざける。
- 説明は、伝わらない。 描写が、伝わる。
- まず1人、 熱狂的な支持者をつくる。
- プレゼンとは、 ちょっといい提案だ。
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