企画を通す時の相手は、1人ではなく、複数いる場合があります。
これは、会議に限ったことではありません。
たとえば、3人の友達に「4人で晩ごはんを食べに行こう」と誘いました。
この時、聞き手の3人全員をその気にさせようとすると、チャンスを逃がします。
チャンスをつかむ人は、まず「行こう、行こう。いいね」という支持者を1人つくります。
それによって、いい方向に流れが変わります。
チャンスを逃がす人は、最初から「えー」と抵抗している人になんとか賛成してもらおうとするので、流れが悪くなります。
プレゼン会場でも、「支持してもいいかな」という人と「いまいちノリ気じゃない」という人が必ずいます。
聞き手が3人でも100人でも、まずその中で支持者を1人つくることです。
その支持者をさらに熱烈な支持者に変えていくという話し方をするのが、チャンスをつかむ人のプレゼンです。
抵抗している人になんとかその気になってもらおうとムリをすると、自分の話にも余裕がなくなり崩れてしまいます。
笑いも、同じです。
笑っていない人を笑わせようとすると、どんどん崩れていくのです。
それよりは、今笑っている人を、もっと笑わせようとすればいいのです。
そのためには、誰が支持者なのかを、先に見抜く力が必要です。
余裕のない人は、自分の支持者をなかなか見つけられません。
まず目に入るのは、ブスッとしている人です。
ブスッとしている聞き手に向かって話すと、自分が崩れます。
支持している人に向かって話すと、自分がノッていきます。
支持している人から、ノリのいい空気がどんどん広がっていくのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
プレゼンは、チャンスをつかむきっかけ。自分のアイデアをどう提案して、夢を実現していけばいいのか?を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- うな重のふたは、 同時にあける。
- 個人的な意見が、強い。
- アシストが、ゴールを決める。
- 話し手からの質問が、 聞き手を遠ざける。
- ロジックが、世代を超える。
- 説明は、伝わらない。 描写が、伝わる。
- プレゼンとは、 ちょっといい提案だ。
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