プレゼンでチャンスをつかめない人は、質問が好きです。
聞き手に質問をすることによって、聞き手を巻き込もうという意図があるのです。
質問は、聞き手を遠ざけます。
質問をされると、たいていの人はうつむきます。
話し手が「これ、なんだかわかりますか」と質問すると、聞き手は「なんだろう」ではなく、「当てないで」「当てられたらどうしよう」という気持ちになります。
「あなたはどう思います?」と1人が当てられた時に、ほかの人たちは「ほっとした」ではなく、「次来るかもしれない。あいつ、なんでもいいから答えてくれ」と思います。
質問の答えについて考えるよりも、「当てないでくれ」「早く誰かが答えてくれ」「先生、早く答えを言って」という感情になります。
最初に当てられた人が「わかりません」と言うと、話し手は「もうちょっと聞いてやれ」とうれしそうにします。
2人目に「それでは、あなたはどう思いますか」と振られると、「ヤバい、これ、質問の嵐だぞ」と、みんながどんどん精神的にひいていきます。
これで、失敗する人が多いのです。
池上彰さんは「これ、なんだと思います?」と聞きながら、即答えを言います。
これが、テレビのリズムです。
テレビを見ている人は、答えを引っ張られるとチャンネルをかえます。
「なんだと思います? 実はこうなんですよ」と、即答えを言うことで、見ている側は「ああ、そうか」と納得します。
「自問自答しているだけで、あなたには当てていませんよ。安心してください」という状態をつくっているのです。
質問を出したら、即答えを言うことです。
話のヘタな人ほど、質問が多いです。
この問題点は、相手がひいていることに気づかないことなのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
プレゼンは、チャンスをつかむきっかけ。自分のアイデアをどう提案して、夢を実現していけばいいのか?を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- うな重のふたは、 同時にあける。
- 個人的な意見が、強い。
- アシストが、ゴールを決める。
- ロジックが、世代を超える。
- 説明は、伝わらない。 描写が、伝わる。
- まず1人、 熱狂的な支持者をつくる。
- プレゼンとは、 ちょっといい提案だ。
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