《5》二流ホテルのセミスイートより、一流ホテルのデラックスルーム。

千田琢哉『人生を変える、お金の使い方。』セレクション

更新日 2020.08.07
公開日 2018.10.15
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普通のサラリーマンが出張の際、一流ホテルに宿泊するのはなかなか難しいが、

プライベートであれば十分に可能だろう。

その際に素敵な時間を過ごすため、ぜひ知っておいてもらいたいことがある。

それは、二流ホテルでセミスイートなど高級な部屋に

宿泊するよりも、一流ホテルで、そこからややランクが落ちる

デラックスルームに宿泊するほうが、断然お得である、

という事実である。

両者の値段は大差ないか、むしろ二流ホテルのセミスイートのほうが高いくらいだ。

そして二流ホテルのセミスイートのほうが部屋は広いことが多い。

しかし私は、仮に部屋が多少狭くても、

一流ホテルのデラックスルームを推したい。

なぜなら一流ホテルのデラックスルームのほうが学ぶことが遥かに多いからである。

 

奮発して二流ホテルのセミスイートに宿泊したところで、

スタッフのサービスもそれなりだ。

あなたに対しておもてなしをするのはあくまでもスタッフなのだから、

ホテルで快適な時間を過ごしたければ、

スタッフの質にこだわる必要がある。

一流ホテルと二流ホテルでは採用の段階ですでに難易度が違うし、

ホテル業界は転職が当たり前の世界だから、

一流ホテルになるほど、実力派の優秀な人材が中途採用で集うものだ。

フロントの洗練された対応、シェフの技術、ドアマンの頭の良さ、

支配人の感じの良さ、マネージャーのスタッフへの教育など、何もかもが違う。

ついでに言っておくと、喫茶ラウンジで出されるティーカップやプレート、

ソファーも上質であり、何もかもが勉強になる。

これは私がサラリーマン時代に膨大な数のホテルに宿泊し、

数多くのホテル従業員を観察してきた経験から言っていることだから間違いない。

 

以上はホテルに限った話ではない。

腕時計でも二流ブランドの高性能な時計より、

一流ブランドのシンプルな三針時計のほうが明らかに価値は上だ。

もし同じお金を払うのであれば、二流や三流ブランドの高額商品に払うのではなく、

一流ブランドの最下ランク商品に払ったほうが、あなたの時間は確実に豊かになる。

 

確かに高いお金を払えば、

いいサービスを受けられる確率は上がる。

だが、どうせ同じ高いお金を払うのであれば、

そこからさらに“質”にこだわりたい。

その場合、注目すべきは「二流の上」より「一流の下」なのだ。

お金を無自覚に使うことなく、何に、どう使うかを熟考することにより、

あなたの人生の充実度はまるで違ってくるのである。

 

 (※この連載は、毎週月曜日・全8回配信予定です。次回は、10月15日10:00頃配信予定です。)

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail

info@senda-takuya.com

■ホームページ

http://www.senda-takuya.com/

 

作品紹介

人生を変える、お金の使い方。

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