【小学1年生・2年生】子どものタイプ別の声かけは? やる気を引き出す褒め方・声かけ(後編)

小学生の学び・子育て

公開日 2018.08.24
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レンポジ

 いつまでも机に向かわないお子さまにイライラして、つい声を荒げてしまう…。そんなことはありませんか?本当にやる気を引き出したいなら、声かけの仕方にはもっと気をつけたいところです。お子さまの自発的な行動を促し、自信をつけさせて、やる気をうまく引き出す声かけの例を押さえておきましょう。

ポジティブな声かけで自信とやる気を伸ばす

自発的に取り組むきっかけを声かけで

 低学年のお子さまは、上手に声をかければまだまだ素直に応じてくれるものです。ただし「宿題(勉強)しなさい」といった、命令するような言い方では、なかなか響きません。例えば、「宿題なにからやる?」「○時から1時間は勉強しようか」など、お子さまが自発的に取り組むきっかけを、声かけやサポートで作ってあげるのがおすすめです。

小さなことでもきちんと褒めてあげる

「宿題(勉強)やったの?」は、お子さまが嫌がる“ダメな声かけ”の例に挙げられがちです。この言葉の裏には、実は“宿題(勉強)はやるのが当然”という決めつけが隠されています。

 我慢してやっていても当然のことだから褒めてもらえない一方で、やらなければ「やったの?」と責められてしまう。これでは、お子さまにとっておもしろくないですよね。保護者としてはそこを逆手にとって、小さなことでも「がんばったね」「よくできたね」と都度褒めてあげられるようにしましょう。

 低学年のお子さまは特に、褒めることで自信をつけてあげて、その気にさせるのがモチベーションを高めるポイントになります。できなかったところも「次はきっとできる」と励ましてあげましょう。

 例えば、漢字が間違っていても「字の形はきれいに書けているね」とひとこと加えたり、計算のケアレスミスを指摘しながら「惜しかったけど、やり方は合っているよ」と伝えたり、課題に関することに限らず「姿勢が良かった」「集中して取り組めた」「提出物に忘れずに名前を書けた」……といったことでも良いのです。

お子さまのタイプ別!  声のかけ方、サポートの仕方

タイプ1:TVやゲームが止められない子は時間を区切って声かけ

 TVやネット動画の視聴、ゲームなどの遊びに先に手をつけてしまって、なかなか止められない……というお子さまには、あらかじめ「○時にはゲームを止めて宿題を始める」と時間を区切って約束させましょう。その上で、約束の時間まで「あと○分だよ」といった風に何度か声をかけるようにします。

 時間が来てから突然「もう時間だよ」と声をかけると、「観終わっていない」「ゲームのセーブができていない」など、お子さまの方に言い訳の余地を作ってしまいます。あらかじめ残り時間を予告して、その時間までにケリをつけるよう促し、時間管理の感覚を身につけさせましょう。自分で残り時間をチェックできるよう、声かけと併せてキッチンタイマーなどを持たせるのもおすすめです。

タイプ2:やり方が分からない子には一緒にやるよう声かけ

 机には向かうけれどもぼんやりしていてなかなか宿題や勉強が始められない、1つの教科だけどんどん進めてしまって他の教科は手つかず……といったことになりやすいお子さまは、適切なやり方や手順が分かっていないのかもしれません。

 最初は親子で話し合いながら時間割や手順表を作ってあげたり、ペース配分をつかむためにとなりについてあげたりするなどして、やり方や手順の感覚を身につけさせましょう。保護者に依存し過ぎないよう、慣れてきたら少し自分でやらせてみたり、そうしてできた時にしっかり褒めて自信をつけてあげたりするのがポイントです。

タイプ3:飽きやすい子には細かいゴールを設定して声かけ

 宿題をしていたはずなのにすぐに椅子を立ってうろうろしたり、机に向かっていると思ったら漫画を読んでいた……という飽きやすいお子さまは、宿題なら“プリント半分できたら3分休憩”、ドリルなら“1ページ解けたら採点してもらう”といった風に、お子さまの集中力が続く分量を見極めて、細かくゴールを設定します。

 ちゃんとゴールできたら、その都度「決めた通りに集中して取り組めたね」と褒めてあげましょう。ラジオ体操カードのようなスタンプ帖などを作って、ごほうびにするのもおすすめです。ポイントは、問題数やページ数などこなした“量”だけではなく、集中して机に向かっていたことなど“努力した”点を褒めること。つまり、お子さまをちゃんと見守っていることが重要なのです。

声かけだけでなく、続けてじっくりと見守ることが大切

まずは得意なことで自信をつけさせてあげよう

レンポジ

 ひとことで宿題や勉強と言っても、その中には時間の管理や手順の組み立て、集中力のキープなどさまざまな要素が含まれています。「宿題(勉強)しなさい」という声かけだけですべてを丸投げするのは、低学年のお子さまにとって苦手な要素を強いられることになり、もしかしたら少々荷が重いかもしれません。

 そこで、まずは得意なことに集中できるよう保護者が見守りながら声かけやサポートを工夫して、できたら褒めることで自信をつけてあげましょう。余裕ができたら、苦手なことにも少しずつ挑戦するよう促します。

 一度自信をつけたら、そのやり方を守ってあげることも重要です。例えば、祖父母や知人に預けるなど、“いつもと違う人が見守る”場合は、急に「宿題(勉強)やったの?」などと言われてお子さまが混乱しないよう、遊びの時間を区切る、先に今日の宿題のスケジュールを立てるといった“いつものやり方”を見守る人と共有しておくと良いでしょう。

ライター 小芝 泉
 学童保育に携わるかたわら、Webライターとして活動中の40代。仕事で多くの子どもたちと触れ合ってきた経験や、大学生の息子・高校生の娘を育ててきた経験から、学童を利用する保護者の相談に乗ることも多い。

 

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※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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