子どもの好きなことや得意分野を見つけて、自分の子どもにぴったりな習い事をさせてあげたいと、思うのが親心です。習い事には、学習系、芸術系、スポーツ系などいろいろな分野があり、自分の子どもに何を習わせたらいいのか、どんな習い事が向いているのかと悩んでしまうこともあるでしょう。
最近では、理科の実験教室やプログラミング学習などの新しい習い事に注目が集まっていますが、依然としてスポーツ系の習い事が人気です。
スポーツ系の人気のポイントやメリットを考えてみましょう。
スポーツ系の習い事が人気の理由
イー・ラーニング研究所が行ったアンケートによると、2017年に子どもが通った習い事の上位は、スポーツ系の習い事で、なんと全体の6割を占めています。(https://ict-enews.net/2018/01/10e-ll-2/)
オリンピックやワールドカップなどの国際大会で日本代表選手が活躍している姿は大人にも子どもにも勇気を与えてくれますが、そのような選手たちへのあこがれも、スポーツ系の習い事を始めるきっかけのひとつでしょう。
何よりスポーツを通して子どもの心身を丈夫に育てたいと願う親の気持ちが、スポーツ系の習い事の人気を支えていると思われます。
スポーツ系の習い事はなぜおすすめなのか
子どもが思いきり体を動かすことは、体を丈夫にし、基礎体力の向上に役立ちます。さらに、スポーツ系の習い事は、子どもの心の成長を促すことにもつながります。
チームプレイをすることでチームメイトとの協調性が養われます。コーチなど家族以外の大人と交流することで、異世代とのコミュニケーションのとり方や礼儀も身につくでしょう。
また、練習してうまくなりたい、努力をして相手に勝ちたいという気持ちが芽生え、向上心・忍耐力・集中力が育ちます。スポーツにかぎらず、習い事には失敗や挫折がつきものですが、それらの体験を通し、対処法を学ぶことができるのは大きなメリットです。
スポーツ系の習い事は、親子で目標に向かうことで、絆を深めることもできます。習い事への支援や応援を通じて、保護者同士のつながりが深くなるなど、保護者の楽しみやメリットがあるのも、魅力のひとつです。
小学生に人気のスポーツ系の習い事とそのメリット
株式会社リクルートマーケティングパートナーズの調査によると、小学生以下に人気のスポーツ系の習い事ランキングは、1位:スイミング、2位:体操、3位:サッカーで、以下、ダンス、空手、テニス、野球などが続きます。
そのなかから小学生におすすめの習い事をピックアップして紹介します。
・スイミング
水中で関節や骨の負担をかけずに全身運動ができるので、特定のスポーツに取り組む前のバランスのいい筋力や体力作りのために有効です。水の刺激で皮膚が鍛えられ、自律神経が強くなり、体温調整機能も向上するので、風邪にかかりにくくなると言われています。入会費や月謝など以外は、必要な道具の購入も少ないので経済的な面でも初めての習い事として通わせやすいという特徴があります。
・体操
外遊びをする機会に恵まれていない現代の子どもたちにとって、体を動かす場として人気なのが体操教室です。指導者のもと思いきり体を動かすことができるので、体力やバランス感覚、柔軟性などが養えます。
最近では、跳び箱・鉄棒・マット運動などだけではなく、プロトレーナーが開発した運動プログラムによって、子どもたちの運動神経を育てることに主眼をおく運動教室もあります。
・サッカー・野球・バスケットボール
子どもに球技系スポーツをさせたいけれど、どのスポーツがいいか悩んでいる保護者も多いと思います。決められない場合は、友達がいる、練習量がこなせそう、など続けていけそうかどうかで判断してみてはいかがでしょうか。小学生は家庭から一歩踏み出し、さまざまな人とのかかわりあいで大きく成長する時期です。学校以外の場で大勢と過ごすことができる団体競技からは、特に多くの成長のきっかけを得ることができます。
さらに、サッカー・野球などのメジャーなスポーツは、地域に根付いているプロクラブチームも多いので、あこがれの対象を見つけたり、技術的な知識を増やすきっかけも多く、子どもが熱心に取り組むきっかけを見つけやすいというポイントがあります。チームプレーを必要とする競技では、コーチ、保護者、活動の場の提供者など、地域みんなで子どもを見守り育ててくれているという安心感があります。
・ボルダリング
最近注目を集めている習い事のひとつがボルダリングです。東京オリンピックの追加種目に決定したためもあって、子どもの習い事の候補にあげられるようになりました。
色とりどりの石がついている壁をよじ登るボルダリングは、体を動かしたくてしょうがないという子どもにとっては、とても魅力的なスポーツです。
年齢や性別は関係なく、体力や筋肉がなくても始められます。筋力や体幹、バランス感覚だけでなく、股関節や肩甲骨などの柔軟性を養うことも期待できます。スタートからゴールまで無駄なく登ることを考えることは、頭脳面の発達にもいい影響を与えるでしょう。
スポーツ系の習い事は、子どもが自分を表現し、自分がもっている力やエネルギーを上手に発散させる手段としておすすめです。自分に自信をもつことができ、自分を存分に表現できている子どもは、明るくまっすぐに育ちます。子どもの習い事にスポーツ系の習い事を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ライター:岸本 由紀
中学校の国語教師を務めた後、子育てに専念。 幼少のころから、二人の息子の習い事や、部活動などを積極的にサポート。子どもたちは生き生きと学生生活を送り、勉強だけではなくバスケットボールの県大会や野球の甲子園に出場するなど、しっかりとした成績を残した。子育てが落ち着いた今も、教育関連に高い関心をもつママライター。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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