漢字が苦手なお子さまにおすすめ! 基礎力が身につく「漢字検定」

小学生の学び・中学生の学び

公開日 2018.11.29
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レンポジ

「漢字テストで間違えてばかりいる。」「何度も書き写して練習したのに、覚えられない…。」というのは小学生のお子さまの漢字学習でよくあること。形を覚えるだけでも難しいのに、書き順や部首、複数ある読み方など、ひとつの漢字に覚えなくてはならない要素の多さに苦手意識を持ってしまうのです。

 何度も書き写すだけではなく、漢字とふれあいながらコツコツと覚えていくことが得意になる近道。そこでおすすめなのが漢字検定です。

日本漢字能力検定(漢字検定)ってどんな試験?

 日本漢字能力検定(漢字検定)は、日本漢字能力検定協会が主催する漢字能力を測定する試験。毎年2月、6月、10月の3回実施され、年間で約220万もの人が受験している人気の資格です。

 試験では漢字の書き方や読み方だけではなく、文章の中で正しく漢字を使えるかどうかを測る問題も出題されます。出題内容は級によって異なりますが、音読みと訓読みを理解しているか、送り仮名は正しく書けるか、対義語や同音異字の意味の違い、書き順や総画数、部首など、漢字を理解する上で重要なポイントが含まれています。

小学生が漢字検定を受けるメリット

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 漢字検定は、総合的な漢字力が求められます。

 例えば「同じ漢字を10回ずつ書く」だけの学習法では、練習した以外の読み方や熟語が登場すると答えられないということが起こりえます。しかし、漢字検定では日本語理解の一部として漢字を適切に使える能力を伸ばすことを目指しているので、ひとつひとつの漢字の意味を知り、深く掘り下げるような勉強が必要になるのです。このように漢字検定を受けるために勉強をすることは、お子さまにとって良い効果がたくさん期待できます。他にも漢字検定に挑戦することのメリットをご紹介します。

・漢字への苦手意識を軽減できる

 漢字は意味を知らなければ「未知の記号」のようにも見えますが、それぞれが持つ意味があり、でき上がるまでの成り立ちや由来があります。漢字検定の受験勉強を通じて「漢字の意味への理解」が進むと、知らない熟語が出てきても漢字から推察して文章を読み解けるようになることも。「漢字に興味が湧いて漢字学習が楽しくなった!」「難しい本が読めた!」といった経験をしているお子さまも多いようです。へんやつくりなど漢字の特徴をつかむことができるようになると、新出漢字の習得もだんだん容易になってきます。学年があがって難しい新出漢字と出会ったときも、苦手意識を持たずにすむかもしれません。

・日本語の能力が高まる

 漢字の読み書きは、日本語を理解するために欠かせないこと。知っている漢字が増えるほど語彙が増え、文章を読解したり、自分で書いたりする能力も高まります。国語はもちろん、算数の問題も、社会の教科書も、漢字の理解なくしては読み解くことはできません。漢字がよくできるお子さまは理解力・読解力が高く、国語以外の教科でも全体的な学力向上が期待できるそうです。漢字能力はすべての勉強に共通する土台となる学力なのです。

・漢字検定へのチャレンジがやる気を引き出す

 漢字検定合格というわかりやすい目標は、お子さまのモチベーションアップに大きく働きます。目標があれば、漢字の学習にも熱が入り、合格すれば自信にもつながります。不合格になっても、もう一度チャレンジする、合格したらさらに上位級を目指すなど、継続的な漢字学習の取り組みとして漢字検定を受験するお子さまも多いようです。

小学生で習う漢字を身につけるなら10級~5級に挑戦

 漢字の習得や理解に役立つ漢字検定ですが、はじめてのときはどの級を受けたらいいのか迷ってしまいますね。漢字検定は、学習指導要領の学年別配当漢字に即して級が設定されているのでお子さまの学年とレベルに合わせて検討してみてください。

 例えば、漢字に苦手意識のあるお子さまは、おさらいとして今の学年より下の級から勉強を始めるのがおすすめ。漢字学習が好きで授業で習うより先まで覚えているというお子さまは、少し上の級にチャレンジしてもいいでしょう。

 10級…小学校1年生修了程度(80字)
 9級…小学校2年生修了程度(240字)
 8級…小学校3年生修了程度(440字)
 7級…小学校4年生修了程度(640字)
 6級…小学校5年生修了程度(825字)
 5級…小学校6年生修了程度(1006字)
 4級…中学校在学程度(1322字)
 3級…中学校卒業程度(1607字)
 準2級…高校在学程度(1940字)
 2級…高校卒業・大学・一般程度(2136字)※常用漢字がすべて読み書き活用できるレベル
 準1級…大学・一般程度(約3000字)
 1級…大学・一般程度(約6000字)

 漢字検定は年齢に関係なくどの級でも受験することができますので、4級以上合格を目指している小学生もたくさんいます。漢字を楽しみながら、自分のペースで、学習を進めていけるのが漢字検定の良いところです。

 過去問題は、日本漢字能力検定協会のホームページから無料でダウンロードすることができますので、一度腕試しをしてみてもよいかもしれませんね。小学生向けの漢字検定の教材は、カラフルなイラストが楽しく、計画的に学習ができるよう工夫されているものもあります。受験をしなくても普段の漢字学習に役立ちそうですが、せっかくならば合格を目指したほうが張り合いもあると思います。次回の受験で合格を目指して、漢字検定の学習を始めてみてはいかがでしょう。

ライター ミナミダカズキ
 教育系出版社の編集者を経てフリーに。編集者時代は幼児教育や中学受験に関する企画を数多く取り扱う。現在は各種WEBメディアに執筆している他、幼児向け教育アプリのシナリオライターとしても活動している。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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