子どもの集中力を高めるためのおすすめの方法

小学生の学び・子育て

公開日 2018.06.27
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 小学校に上がると、これまで以上に集中力を必要とされることが増えてきます。「自宅学習させようとしても集中力がないから、続かない」「もっと集中力を養うにはどうしたらいい?」など、頭を悩ませる保護者の方も多いかもしれませんね。そこで、子どもの集中力を高めるための方法をいくつかご紹介します。

得意なこと、好きなことを積極的にさせる

 すぐに気が散ってしまう子どもの様子を見た保護者は、「もっと集中して学習に取り組んでほしい」と考えるでしょう。しかしそういった子どもであっても、ゲームをしているときや、お気に入りの本を読んでいるときにはものすごい集中力を発揮しているはずです。

 少し考えてみればわかる通り、苦手なことや楽しいと思えないことを長く続けるのは、大人でも難しいものです。それを小学校に上がったばかりの子どもに求めるのは、容易なことではありません。

 そこでまずは、「子どもが得意なことや好きなことを積極的にさせる」と意識しましょう。意識さえすれば、やり方は簡単です。子どもが遊びに集中しているときはなるべく中断させない。それだけで、遊びを通して集中力を伸ばすことができます。

「うちの子、テレビやゲームだったらいつまででもやっていられるけど…」という場合は、少し発想を変えてみましょう。タブレットやスマートフォンを使う、ゲーム感覚の学習を取り入れてみるのはいかがでしょうか? 子どもが気に入れば、ものすごい集中力で取り組むようになるはずです。

子どもに合ったやる気スイッチ、型を作る

 本格的な運動を始める前にウォーミングアップをして体をあたためるように、本格的な勉強を始める前にも軽い準備運動を取り入れるのがおすすめです。要は「型」を作っておくのです。

 低学年のうちは、「ランドセルから宿題のプリントを出す」「机に座って教科書を広げる」といった簡単なものから始めるのが良いでしょう。それができるようになったら、次は「3分間、教科書を音読する」「今日習った漢字をノートに書く」など、子どもの学習レベルに応じてステップアップしていきます。

 子どもなりの「勉強を始める前のスイッチ」を作ってあげることで、ダラダラしがちな自宅学習にメリハリをつけることができます。

環境を整える

 子ども自身への働きかけだけでなく、勉強に集中しやすい環境を作ってあげることも大切です。集中力を養ううえで大切なのは、睡眠・栄養・環境の3つ。それぞれについてご説明します。

◯充分な睡眠を確保

 睡眠が足りていない状態では、集中力は続きません。NPO法人「アメリカ睡眠財団」(NSF)が行った睡眠時間に関する調査結果によると、6~13歳の子どもの理想的な睡眠時間は9~11時間。仮に朝7時に起きるとすると、夜9時に寝てやっと10時間の睡眠時間が確保できる計算になります。

 世界的に見て、日本の子どもは睡眠時間が短いと言われています。9~11時間の睡眠時間を確保できるよう、保護者の心がけも大切です。就寝時間前にはテレビを消す、スマホの画面を見ないなど、スムーズに就寝につなげられる環境を整えてあげましょう。

◯栄養バランスを整える

 集中力をアップさせるには、食事から充分な栄養をとることが欠かせません。時間がない、忙しいと言って簡単な料理ばかりでは、脳に栄養が行き届かないからです。

 集中力アップのためには、いろいろな食材をバランス良く摂取することが大切ですが、中でもフルーツにはマグネシウムや亜鉛、リンなど脳のエネルギー代謝に必要な栄養素がたくさん含まれているのでおすすめです。

◯集中しやすい環境を用意する

 集中力をアップさせるには、本人の心がけや体調だけでなく、「集中しやすい環境」を整えてあげることも大切です。

 最近、リビング学習を取り入れる家庭が増えていることをご存知でしょうか。私達の世代では子ども部屋に勉強机を置いて、そこで宿題や自宅学習をするのが一般的でした。しかし子ども部屋にこもっていると、保護者の目が届かないため「サボりやすくなる」「わからない問題でつまずくと先に進めなくなる」などのデメリットがあります。

 その点リビング学習では、保護者の目がよく届きます。見られているという緊張感から子どもがしっかり学習に取り組み、「わからないところがあれば保護者にすぐ聞ける」「子どもの困っている様子を保護者が察知して声がけできる」などのメリットがあります。また低学年のうちは、そばに保護者がいることで子どもに安心感を与え、落ち着いて学習に取り組めるという魅力も。

 もし子ども部屋で勉強していて「集中できていないな」と感じるなら、自宅学習の場所を変えてみるのも1つの方法です。リビングで学習させるなら、子どもが勉強しているときは大きな音をたてない、きょうだいにもテレビを見せないなど、子どもの気が散らないような配慮をしましょう。

 人間の集中力は、そう長く続かないものだと言われています。大人だってそうなのですから、子どもならなおさらですよね。

 子どもが勉強に集中できていないと感じたら、叱るより前に「私にもできることはないかな?」と考えてみましょう。好きなことを思いっきりやらせてあげる、勉強を始める前の「型」を作るなど、子ども自身に働きかける方法、また睡眠や食事、勉強しやすい環境を整えるなど、方法はいろいろあります。子どもの性格に合わせて、無理なく自宅学習の習慣をつけてあげたいですね。

ライター 七尾 なお
 生活コラムから経済誌まで、ウェブや雑誌を問わずさまざまな媒体で執筆をするフリーライター。男の子と女の子の二児の母。父親向けのコラム執筆や、育児に奮闘する保護者向けの情報サイトの運営など、教育関連の執筆にも力を入れている。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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