部下が軽蔑するのは、間違えるリーダーではなく、決断しないリーダーです。

千田琢哉『成功者を奮い立たせた本気の言葉』セレクション

更新日 2020.07.27
公開日 2018.04.09
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リーダーには、組織の中で一番頭が良い人がなるものだ。
こう思い込んでいる人は、意外と多い。
ひょっとしたら、あなたもそう思っているのではないだろうか。
確かに、リーダーの頭が良いに越したことはないだろう。
だがそれは、必ずしも“一番”である必要はない。
いや、私の経験から正直に述べさせてもらえば、
リーダーは、周囲で一番頭が良い存在であってはならない、とさえ思う。
仮に一番頭が良かったとしても、あえて少し、
抜けたところを部下の前で演じ切るくらいの余裕が欲しいものだ。
そうでなければ、部下たちはいつまでもリーダーに頼り切りで、育たないからである。
その代わり、リーダーが組織内でダントツでなければならないのは、決断力である。
極論すると、決断力さえあれば、それ以外は平均未満でも許されるくらいだ。
なぜならリーダーは、決断以外の仕事を、すべて部下に丸投げできるからである。
私もリーダーの特権を大いに活用させてもらい、面倒な雑用はもちろん、
決断の前の「判断」も、自分よりIQの高い部下に丸投げしておいたものだ。
今だから正直に告白するが、
優秀な部下は私の何倍ものスピードで判断してくれるから、
私は自分の好き嫌いで、気軽にポンポンと「決断」だけをすればよかった。
もちろんこれは、これまでに出逢った膨大な数の経営者たちから授かった知恵である。
判断という正誤問題は、マークシートを塗り潰すのが得意な優等生に丸投げしておき、
リーダーはそれらの判断結果を、自分の好みで選択するだけでいいのだ。
リーダーとしての仕事で行き詰まっている人には、私は次の言葉を贈り続けてきた。
「部下が軽蔑するのは、間違えるリーダーではなく、決断しないリーダーです」
畢竟、リーダーの問題解決はこの言葉に尽きると思う。

(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載予定です。次回は4月16日掲載予定です。)

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

成功者を奮い立たせた本気の言葉

著者・千田琢哉が経営コンサルタント時代に経営者たちと正面から向き合い、本気で投げかけた、真剣勝負の言葉の数々を紹介する。
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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