夏休みの宿題の定番といえば自由研究。「今年は何をしようかな」と頭を悩ませてはいませんか?もしまだ研究のテーマが決まっていないなら、家族みんなで星座の観察をしてみてはいかがでしょうか。星の知識を得られるだけでなく、家族でいろいろな会話をすることにより、家族の絆も深まるはずです。当記事では、自由研究におすすめの星座の観察をご紹介します。
もくじ
キャンプや帰省先で星座を観察してみよう!
星座の観察と言っても、都会の空では見える星も少なく、観察が難しいものです。せっかく星座を観察するのなら、星がたくさん見える場所が良いですよね。つまり、街の光が届かない自然がいっぱいの場所です。帰省の際や、夏休みの旅行など、明るい都会から離れることがあれば、星座を観察する絶好のチャンスです。
中でも、特におすすめしたいのがキャンプ場。夜でも明るい都心部から離れた自然豊かなキャンプ場では、晴れた日の夜にたくさんの星を眺めることができるでしょう。細かな星のきらめきまで見えるので星座も見つけやすくなります。
楽しいイベントと組み合わせて、お子さまが「勉強」というイメージを抱かず取り組めるようにしてあげることがポイントです。
夏に見える星座とは? 夏の大三角を探してみよう
6~8月頃の時期、夜に見やすい星座を「夏の星座」と呼びます。よく知られているものだと、こと座やわし座、白鳥座、さそり座などが挙げられます。
特にお子さまと一緒に探してみてもらいたいのが、「夏の大三角」です。こと座の一等星ベガとわし座の一等星アルタイル、白鳥座の一等星デネブを線で結んだものをそう呼びます。どれも明るい星なので、街中でも比較的見つけやすいのが魅力です。
ちなみにベガは七夕伝説でいうところの「織姫星」、アルタイルは「彦星」に当たります。
お子さまにもよく知られている話のため、想像を膨らませて楽しみながら探すことができます。では、夏の大三角の探し方を解説します。
・時期
夏の大三角は、日本では一般に7月上旬から9月上旬にかけて見ることができます。よく晴れていて、月の光の影響を受けない日に観察するのがコツです。
・時間帯
7月に観察するのであれば、午後8~10時頃が見やすいでしょう。
・方角
東の空に見えます。
・探し方
まずは一番明るく輝いている星「ベガ」を探します。ベガは東の空でもっとも明るい星なので、比較的簡単に見つけることができるはずです。ちなみにベガの脇には4つの星が平行四辺形のように並んでおり、合わせると「こと座」になります。
続いて、ベガの次に明るいアルタイルを探します。ベガ(織姫)とアルタイル(彦星)は七夕のお話通り、天の川を挟んで離れたところにあります。ベガは川の西側、アルタイルは東側です。アルタイルはベガよりもだいぶ低い位置に出ているので、注意深く探してみてください。
夏の大三角のうち、もっとも光が弱いのはデネブです。ベガの左下あたりを探して、「ベガ、アルタイルよりちょっと暗い星」があればそれがデネブです。
デネブは白鳥座の一等星で、ちょうど白鳥のしっぽの部分になります。そこからベガとアルタイルの方へ首が伸びて、白鳥の形を成しています。体の部分がちょうど十字のように見えるので、それを目当てに探してみるとわかりやすいかもしれません。
知ればもっとおもしろい! 星に秘められた神話
七夕の物語だけではなく、星や星座にはさまざまなお話があります。ここで一つ、「さそり座」と「オリオン座」にまつわるストーリーをご紹介します。
オリオンは海神ポセイドンの息子で、非常に強くて美しい狩人でした。しかし、自分が強いことをいつも自慢していたため、その思い上がった様子が神々の怒りに触れてしまったのです。怒った神々はオリオンを殺すためにさそりをつかわし、刺されたオリオンはさそりの毒で死んでしまいました。それゆえ今でも東の空にさそり座が昇ってくると、オリオン座は西の空に沈んでいく、というのです。
さそり座は夏の星座、オリオン座は冬の星座です。そう言われるとまるでオリオンがさそりを恐れて、逃げているようにも見えますよね。
星や星座には、こうしたおもしろいお話がたくさんあります。学研出版サイトにも「星と神話のおはなし20話」「10分で読める神話と星座の話」など、星座と神話について学べる本がありますので、ぜひお子さまと一緒に読んでみてください。星座観察が一層楽しいものになりますよ。
覚えておきたい、テストにも出る星の知識
小学4年生の理科では、星や星座、月などについて勉強します。星座では、既に紹介した「夏の大三角」や、夏の星座である「さそり座」などを学びます。テストではベガ、アルタイル、デネブといった一等星の名前や、位置関係などについての問題が出題されます。さそり座についても一等星のアンタレスについて位置や名前を学びます。アンタレスは赤く輝く星で、南の空に見つけることができます。
また、星や月の動き方についても学びます。月も星も東から昇って南を通り、西へ沈む動きは同じです。月の満ち欠けや、シーズンごとの見える星座の変化など、地球と天体の動きをイメージしてなぜ変化するのかを理解するようにしましょう。
自由研究にもできる! 家族で星座観察を楽しもう
自由研究のテーマ選びは、お子さまだけでなく保護者さまも頭を抱える問題です。お子さまが途中で投げ出さずにしっかりとやり切るためにも、楽しんで取り組めるテーマを選ぶのがおすすめです。
観察内容をまとめるときは、
・観察日時
・方角
・月の明るさや雲の多さ
・星の見え方
など、情報を整理して模造紙に書いていくのも良いでしょう。日にちや時間を変えて観察してみて、星座の見え方がどう変わったのか比較するのもおもしろいです。
夜空に輝く星を眺める時間は、かけがえのないひとときになるはず。ぜひお子さまと一緒に、ゆっくり星座の観察を楽しんでみてください。
ライター 七尾 なお
生活コラムから経済誌まで、ウェブや雑誌を問わずさまざまな媒体で執筆をするフリーライター。男の子と女の子の二児の母。父親向けのコラム執筆や、育児に奮闘する母親や父親向けの情報サイトの運営など、教育関連の執筆にも力を入れている。
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※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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