小学生の自由研究、保護者のサポートはどこまで必要?

小学生の学び・子育て

公開日 2018.08.02
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ライトアップ  子どもの自由研究なのに、つい口を出しすぎてしまった……そんな経験を持つ保護者の方は少なくないのでは?

 「調べる」にせよ、「つくる」にせよ、小学生の自由研究は何かしらの形で保護者のサポートを必要とすることがほとんどですが、どこまでサポートすればいいのか、お子さまに任せればいいのか、線引きが難しいところですよね。

 では、保護者は自由研究にどんなサポートをすればいいのでしょうか。保護者が介入したほうがいいポイントや、お子さま自身の力で自由研究を完成させるための導き方のヒントをご紹介します。

準備段階のさりげない協力が◎ 低学年のお子さまのための自由研究のサポート

 低学年のお子さまの場合は、自由研究に対する理解がまだ曖昧で、テーマ決めの段階から戸惑ってしまうことが多いようです。やりたいことが見つからない様子なら、お子さまが興味を示しそうなテーマをいくつか提示してあげましょう。しかし、お子さまが「自分で決めた」という納得感を得ることも必要。「これにしなさい」と押し付けるのではなく、いくつかの選択肢を示して、お子さまに選んでもらうようにしてみてくださいね。

 保護者の方のサポートを最小限にするなら、なるべく身近で、お子さまが最後までやり遂げられそうなサイズ感のテーマにすることがポイントです。低学年ですと、自力で必要な本や材料を探したり、インターネットで調べたりするのが難しいので、家にあって昔から親しんでいる本や図鑑だけで完結できるテーマもおすすめ。たとえば、いつもは眺めているだけの恐竜図鑑を使って、いちばん好きな恐竜のことをまとめてみる。模造紙にその恐竜の絵を描き、どういうところが好きなのか、わかったことや感想などを書き添えるだけでも、立派な自由研究になります。

 このほか、自宅の庭先で見つけた虫や植物、よく行く公園に落ちている石など、身近にあるものを観察して気がついたことをまとめたり、紙粘土や家庭で出る廃材を使って工作をしたり、なるべく簡単にできるテーマを選ぶと、最後まで飽きずに取り組めると思います。

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 低学年のうちは、お子さまがやってみたいことを見つける手伝いや、自分から進んで取り組めるように材料や環境を準備してあげることで円滑に自由研究を進めることができますが、そこから先は、お子さまの創意工夫に期待したいところ。困っているときだけ、さり気なくアドバイスやサポートをしてあげられるといいですね。

実行段階はあくまでも見守り役に! 中・高学年のお子さまのための自由研究のサポート

 中・高学年になると、自由研究も回数を重ねて、要領もだんだんわかっているはず…と思いたいところですが、実際はそうではないことも多いようです。「テーマを決めたものの、進め方や調べ方がわからない」「レポートのまとめ方がわからない」など、壁にぶつかることは少なくありません。

 進め方や調べ方で戸惑っているお子さまは、テーマが広すぎるのかもしれません。たとえば、「住んでいる町の歴史を調べる」というざっくりしたテーマだと、何から手を付けていいかイメージが湧きにくいもの。それを「○○町の夏祭り」とか「○○町の特産品」といったふうにテーマを絞り込んでみたらどうでしょうか。広く浅くではなく、いちばん興味のあることだけピンポイントで掘り下げたほうが、取り組みやすいはずです。

 テーマの絞り込みをしたら、それについて知りたいことを箇条書きで書き出すようお子さまにアドバイスしてみてください。ただし、多すぎると手が回らなくなる可能性がありますので、3~5個くらいに絞り込むなど、できるだけコンパクトにするのがおすすめ。全体像がイメージできる状態になれば、お子さまが自分の力で進めていくこともさほど難しくなくなるでしょう。

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 お子さまの集中力や作業時間を考えて、自由研究を広げすぎないように導くことが重要です。このようなさじ加減ができるのは、お子さまの性格をよく知る保護者の方ならではかもしれません。中・高学年になれば、「○日までに調べる」「○日は下書きの日」「○日と○日でまとめる」など、おおよそのスケジュールをつくることもできるはず。お子さまが決めたことを尊重しながら、見守り中心のサポートができるといいと思います。

レポート作成前にこれだけはしておこう

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 自由研究最大の難関は「レポート」。最後に研究成果をまとめる作業が待っています。

 調べたことや感じたことを文章化するだけでも大変ですが、提出用のノートや模造紙に丁寧に間違いなく書き記していくことにも苦労するようです。

 私がたずさわる編集という仕事では、雑誌のページやWEBコンテンツを制作する際に、最初に「ラフデザイン」というものをつくることがよくあります。これは下準備として、何ページ描くのか、どの位置に何の情報を載せるのかなど、おおよそのレイアウトを決めて全体像を視覚的に理解できるようにしたものです。

 「もしや…自由研究でも、手書きでラフデザインをつくってからレポート制作にとりかかると、頭の中が整理され、効率よく進められるのでは?」と気づき、昨年はこの方法で親子ともどもずいぶんラクになりました。

 私の経験から得た、自由研究のレポートを効率よく進める方法をご紹介します。

 

(1) まずどれくらいのサイズの用紙に何枚書くのかを決める

 たとえば1ページ目は「きっかけと進め方」、2~3ページ目は「研究内容」、4ページ目は「結論と感想」といったふうに割り振り、各ページのレイアウトを考えておきます。あとはレイアウトに合わせて、必要なイラストや写真を選んだり、必要な原稿をつくったりすればいいのです。

 

(2) 原稿はノートなどに下書きしてから、本番用の用紙に書き写す

 レイアウトのスペースに合わせてだいたいの文字数を決めておけば、原稿を下書きするときもムダがありません。ちなみに私は、子どもが書いた下書き原稿を校正して文字数を調整したり、「この写真の説明を下に書いたほうがわかりやすいよ」などとアドバイスをしたりしました。

 小4の息子もまっさらな状態からスタートするよりわかりやすかったようで、スムーズにレポート作成が進みました。

 小学生の自由研究は、学年が上がっても何らかのサポートが不可欠ですが、お子さまが「自分でやり遂げた!」という達成感を味わうためにも、手出し・口出しのしすぎには注意したいですね。

 

ライター:大原 三千江
WEB媒体を中心に執筆を続けるフリーライター。男の子と女の子、2人の小学生の母。子育てや教育に関する取材やインタビューの実績が多く、役得とばかりにわが子にいろいろ実践している。

 

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※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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