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 「本を読むのは好きだけど、読書感想文を書くのは嫌い」

 お子さまからこのような言葉を聞くことはないでしょうか。

 読み終えたあとに「おもしろかった」という感想はあっても、「どんなところが?」と聞くと、「うーん、わかんない…」。読書中に感じたことを言葉で表現したり、自分の気持ちを文章にしたりといったことは、さらに難しく感じるようです。

 読書感想文を苦手とするお子さまでも、基本的な構成や「何を書けばいいか」などのポイントを押さえれば、読書感想文を仕上げることはできます。さらにちょっとしたコツを取り入れると、キラッと才能が光る読書感想文を仕上げることも…!? 今回は、その具体的な方法をご紹介します。

基本を押さえよう!  小学生の読書感想文の書き方のポイント

 読書感想文の書き方にルールはありません。読んだ本について感じたことを、自由に伝えればよいのです。けれども、原稿用紙を前にすると「何を書いてよいかわからない…」と思考がストップしてしまうお子さまには、保護者さまから読書感想文に書くとよいポイントをいくつか教えてあげるとよいでしょう。

 

<小学生の読書感想文で書いておきたいポイント>

○ 本を選んだ理由

 たとえ課題図書の中から選んでも、その1冊に決めたのには何かワケがあるはず。「表紙を見ておもしろそうだと思った」「タイトルが気になった」などちょっとしたことでもよいのです。それを見て自分がどんな想像をしたのか、実際に読んでみてどう思ったのかなどに触れることで、そのあとの文章が広げやすくなります。

 

○ 簡単なあらすじ

 あらすじに終始してしまう読書感想文は、よく「悪い例」として挙げられますが、読む人がまったく知らない本であることも念頭に置いて、さらっとストーリーに触れておくのはむしろ親切です。「この本は、○○という主人公が○○をする話です」といった内容の1~2文で十分。読み手のことを考えた文章は、おのずと読みやすくレベルの高いものになります。

 

○ 一番心に残ったこと

 「中でも一番心に残ったのは…」の書き出しからひとつのシーンを紹介すると、その部分が際立ちます。作文が苦手、文章をまとめるのにいつも苦労しているというお子さまは、もっとも印象に残ったワンシーンにポイントを絞って、自分の気持ちを掘り下げてみるのがおすすめです。

 

○ 自分との共通点あるいは異なる点

 登場人物の境遇、物語の背景など、自分と似ているところや違っている部分を見つけて触れるのもおすすめです。考えすぎて、何も出てこなくなってしまうお子さまも、自分自身と対比すると感情移入しやすくなり、読書感想文を書く苦労が軽減するかもしれません。

 

○ 最後のまとめ

「この本を読んで、何を感じたのか」という読書感想文のクライマックスです。「面白かった」「つまらなかった」だけでは、まとめにはなりません。本を読んで感じたことが、これからの自分にどのように活かされるのか、なるべく具体的にイメージしてみましょう。「これから私も○○をしてみようと思う」と将来の展望に触れたり、「大事なのは○○なことだと思う」などと本から得た教訓を締めの一文にしたりするとよいでしょう。

書きたいトピックごとにまとめてみよう

 これらは一般的な読書感想文の基本的な構成です。とはいえ、ご紹介したトピック全部を入れる必要はありません。お子さまの文章力に応じて、「これなら書けそう!」と思うものをいくつか選んで、読書感想文を組み立てるとよいでしょう。

 いきなり原稿用紙に向かって書き始めるのはあまりよい方法とは言えません。小学生のうちはまだ、ぶっつけ本番で読書感想文を完成できるほど文章を書くことに長けていません…というか、大人でも難しいですよね。消しゴムで消す範囲が広いほど、書き直す回数が増えるほど、子どもはやる気を失っていくもの。最初はノートなどに下書きするところから始めるとよいですよ。下書きのときは、あとで書き足したり直したりしやすいよう、一行空きで書いておくのもおすすめです。

 トピックごとに自分なりの文章が書けたら、あとはそれをつなげれば、読書感想文の完成です。原稿用紙に書き写すのは最後のお楽しみにしておきましょう。

味気ない文章の味付けにおすすめ!「まるで○○のように」

ライトアップ

 かくいうわが家の子どもたちも読書感想文は大の苦手。作文そのものが嫌でたまらず、宿題に出た日はため息ばかりついている有り様です。なんとか書き上げても、出来事をそのまま書いただけの味気ない作文ばかり…。それでも提出すれば及第点にはなるのですが、文章を書いて生活している母としてはモノ足りない!

 そこで一計を案じて思いついた方法が、「まるで○○のように」大作戦。

 つまりこういうことです。

 子どもの文章の文末によくある「おもしろかったです」「びっくりしました」「楽しかったです」といったひと言。みなさまも見覚えがあるのではないでしょうか。

 そこで、「まるで○○のようにおもしろいと思いました」「○○をしたときのようにびっくりしました」といった具合に、自分の体験や感覚の中から、同じ度合い(あるいは似たような)出来事を思い出し、文章のエッセンスとして取り入れるのです。

 これはなかなか効果がありました。ある出来事について書くために、まったく関係のない他の出来事を思い起こす…という頭の使い方は新鮮だったようで、「これ以上は何も思い浮かばない」という思考ストップの状態から脱出させるうえで役に立ちました。文章にオリジナリティが生まれるのはもちろんですが、表現力を高める訓練にもなると思います。

 この方法で息子は「授業中にトイレに行きたくなったときのようにドキドキしました」とか「焼肉をたくさん食べたときのように楽しい気分になりました」などという、やや品がない(?)ながら、自由にのびのびとした文章を書く体験ができたようです。考え出すと自分でもおかしくなってくるらしく、ゲラゲラ笑いながら書いていました。

 お子さまが書いた読書感想文の中で「まるで○○のように」を入れられそうな箇所があれば、「ここ、ちょっと考えてごらん」とアドバイスしてみてはいかがでしょうか。細部にキラッと光る個性は、きっと読む人の目にもとまるはず。ちょっとしたコツではありますが、お子さまの文章がきっとイキイキすると思いますので、ぜひ試してみてくださいね。

 

 

ライター:大原 三千江
 WEB媒体を中心に執筆を続けるフリーライター。男の子と女の子、2人の小学生の母。子育てや教育に関する取材やインタビューの実績が多く、役得とばかりにわが子にいろいろ実践している。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。