色気のある人は、「みんなで集まろう」とは言いません。
集めなくても、集まってくるからです。
30歳の時に、僕は初めて小劇場の芝居に呼ばれて客演しました。
その時の演出家の人に、「中谷さんは色気あるからな」と言われました。
僕の実家は、昼は染物屋で、夜はスナックです。
どちらも、色気のある仕事です。
モノをつくる職人には、色気があります。
何気ない日用品にも、魅力を生み出すのが、職人さんだからです。
スナックは客商売なので、人が集まります。
小劇場で、いつも笑いをとる係の男がいて、演出家の人は「あいつ、あんなんだけど、色気があるんだよな。実家は米屋なんだよ」と言っていました。
商売をしているところには、人が集まります。
人間関係でもまれることから、色気が生まれます。
1人でポツンといると、そこに色気は生まれてこないのです。
人をムリヤリ集めようとしても、色気は生まれません。
みんなが勝手に集まってくるのが、色気です。
「人気がある」とは、そういうことです。
だから、色気のある人は、仕事も恋愛もうまくいきます。
人は、行きたい人のところに集まるのです。
「美男・美女」イコール「色気」ではありません。
たとえば、ホテルのフロント係には、美人ではなく、色気のある女性を採用します。
ハッピーそうな雰囲気が、色気です。
窓口に2人いる時は、ハッピーそうな人のほうに行きたくなります。
美人でも、幸薄そうな人は採用されません。
「美人」イコール「色気」、「美人」イコール「セクシー」ではないのです。
自分のところに人がなかなか来ないのは、美人でないからではなく、ハッピーな空気をかもし出していないからです。
美人でも、まわりを見くだしていたり、「どうせ私のルックス目当てでしょう」という気持ちが湧いた瞬間、ハッピーな空気は出なくなります。
美人でない人が「どうせ私は美人じゃないし」と思った瞬間にも、ハッピーな空気が出なくなります。
クレームは、美人に殺到します。
「美人を鼻にかけている」と思われるからです。
「私は美人だから怒られている」とか「ねたまれている」と思うと、ますます負のオーラが出てきます。
男性でも同じです。
色気のない人に、人は集まりません。
色気のある人に、人は自然と集まります。
色気を出すには、まずは大ぜいで徒党を組んで何かをしようとしないことが大切なのです。
(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。3回目の次回は、6/22掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
仕事も、恋愛も、人間関係も、セクシーな人は、うまくいく。品のある、大人の色気を身につける方法を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 色気は、イキイキしていて、 優しいことだ。
- できることより、できないことに、 色気は生まれる。
- 色気は、 目の輝きから出る。
- リアクションの早さから、 色気は出る。
- 生の体験から、 色気が生まれる。
- セクシーとは、さらけ出すことだ。 肌を出すのではなく、気持ちを出す。
- 夢中になれる人は、 色気がある。
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