僕は今、消防大学校の幹部クラスで教えています。
まもなく消防署長になる直前の「消防司令」という役職の人たちです。
平均年齢50歳です。
僕は、彼らに「リーダーは決断力のある人でなければならない」と伝えています。
決断力には、「正確さ」と「スピード」という2つのことが求められます。
ここで、行き詰まるのです。
「正確さ」と「スピード」の両方をとろうとすると、結果的に、正確さをとってスピードを犠牲にします。
判断は、スピードよりも正確さを優先します。
決断は、正確さよりもスピードを優先します。
「そんなことをしたら、部下がついてこなくなりませんか」と言われます。
それは違います。
決断が早いと、自信を感じます。
決断が遅いと、迷っているように感じられて、自信を感じません。
人は、正確さよりも、自信のある決断についていきます。
どんなに正しい判断をしても、決断が遅い人に、人はついていきません。
「ちょっと待って、考えるから」という人よりは、たとえ間違っても、すぐに決断する人についていくのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
決断できる人は、うまくいく。
チャンスをつかむ「決める」習慣68
決断できる人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。決断力をつけることで、チャンスをつかむ69の方法。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 選んだほうが正解になるように、 選んでから、工夫する。
- 2回同じことを言わないことで、 決断力がつく。
- 1つ決断すると、次々と決断できる。 1つ保留にすると、次々と保留になる。
- 決断の基準は、成功ではなく、 希望が生まれることだ。
- 退却するのも、決断だ。
- デメリットの差ではなく、 メリットの差で選ぶ。
- 社会には、○の答えはない。
- 人生は、クイズ番組だ。 様子を見ていたら、答える権利がなくなる。