決断力のある人は、一見、正解率が高いように見えます。
実際に、高いのです。
決断力のない人は、決断するまでにエネルギーの100パーセントをほぼ使い果たします
決断力のある人は、選ぶのに使うエネルギーは、ゼロパーセントです。
たとえば、企画Aと企画Bがあった時に、「AじゃなくてBじゃない?」と、簡単に選びます。
「なんで?」と聞くと、「なんとなく」と答えます。
ここで、なんのエネルギーも使っていません。
もちろん、調査もしていません。
「なんとなくそっちのほうがモテそう」「なんとなく楽しそう」「なんとなくワクワクする」というぐらいの感覚です。
それがうまくいくのは、選んだほうがうまくいく工夫に100パーセントのエネルギーを使うからです。
エネルギーは、どんなに頑張っても、100は100です。
その100を選ぶことに使ったら、エネルギーはもう残りません。
選ぶエネルギーは、できるだけ省エネしたほうがいいのです。
結婚相手にA君とB君のうちB君を選んだとしたら、B君をいい男に育てることに100パーセントのエネルギーを使います。
決断力のない人は、選ぶのに時間をかけるのに、選んだあとに何もやらないのです。
どちらを選んだほうがいいか、占い師さんに聞くことにエネルギーをかけるなら、自分で選んだほうを「結果として正解だった」と思えるように工夫したほうがいいのです。
選んだほうが正解になるように、選んでから工夫するのです。
選ぶのは、究極、どちらでも正解なのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
決断できる人は、うまくいく。
チャンスをつかむ「決める」習慣68
決断できる人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。決断力をつけることで、チャンスをつかむ69の方法。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 2回同じことを言わないことで、 決断力がつく。
- 1つ決断すると、次々と決断できる。 1つ保留にすると、次々と保留になる。
- 決断の基準は、成功ではなく、 希望が生まれることだ。
- 退却するのも、決断だ。
- デメリットの差ではなく、 メリットの差で選ぶ。
- 正しい判断をした人より、 早く決断した人に、人はついていく。
- 社会には、○の答えはない。
- 人生は、クイズ番組だ。 様子を見ていたら、答える権利がなくなる。