仕事が遅い人は、基本がおろそかになっています。
基本とは、仕事をスピーディーにするためのものです。
20代が忙しいのは、基本を叩き込む時代だからです。
量をこなさないと、スピードはアップしません。
スピードを上げるコツは、まず「大変だな。これ、まともにやったら24時間かかるぞ。寝る時間がなくなる」という量をこなすことです。
その人が、3倍の生産性を獲得して3分の1の8時間でできるように、24時間の仕事を与えられるのです。
「寝る時間を捻出するためには、どうしたら速くできるか」というのが基本です。
数学に公式があるのは、公式に当てはめると速いからです。
足し算だけでゴリゴリ計算していると、ムチャクチャ時間がかかります。
方程式にほうり込むと、一瞬で答えが出ます。
そのために、方程式を覚えるのです。
方程式が、仕事の基本なのです。
銀行の窓口を見ていると、圧倒的な個人差があります。
速い人は、ムチャクチャ速いです。
スーパーのレジ打ちも、人によって5倍ぐらいスピードが違います。
仕事が遅いとしたら、基本が入っていないのです。
仕事量が多いと感じる時は、「この仕事量は基本を叩き込むためにある」と考えればいいのです。
基本が入っている人なら、その量を多いとは感じません。
多いと感じている間は、基本がまだ入っていないのです。
まずは、基本を叩き込むことです。
ある時、僕がよく行くお好み焼屋さんのレジで、店主の妹から「お兄ちゃんが、自分は焼くのが遅いと悩んでいる」と相談されました。
実際は、焼くのが超速いのです。
そういう人ほど、自分のスピードに悩みます。
「仕事量が多い」と言っている人に限って、「私は速いです」と言います。
遅いことに、気づいていないからです。
「自分は速くない」と感じている人のほうが、速いのです。
「自分はできています」と言う人は、実は一番遅いのです。
(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。最終回の次回は、3月30日掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
向上心のある大人の女性に向けて、年齢を重ねても魅力的の「美人力」を提案。人気の書籍をハンディ版として新装発売。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 残業は、 未来への投資をサボっている。
- 失敗のスピードの速い人が、 成功のスピードも速い。
- 粘るとは、サッと引いて、 また行くことだ。
- 予定表より、 工程表をつくる。
- 勝負は、土・日でつく。
- 諦めて、減らさない。
- 仕事に追いかけられるとあせり、 仕事を追いかけると素早くなる。
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