勝負は、土・日でつく。

中谷彰宏『なぜ あの人は2時間早く帰れるのか』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2017.02.24
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 押せ押せになった仕事は、土・日の過ごし方で取り返せます。
 平日は、そんなに差はつきません。
 最も差がつくのは、土・日です。
 土・日で追いつくというのも、1つです。
 もう1つは、土・日で勉強している人は、スピードが上がっていきます。
 日曜の『サザエさん』までぼんやりしている人は、生産性が上がらないので、スピードは落ちたままです。
 そういう人は、金曜日の夜にウロウロしています。
 次の日に起きるのが遅くなって、土曜日が死んでいきます。
 あれよあれよという間に、『サザエさん』です。

 土・日の勉強で月―金の生産性を上げていけば、早く帰れるようになります。
 勉強することで1時間あたりの生産性が上がって、仕事が早くなるのです。
 たとえば、漢検を受けようと漢字の勉強をするだけで、その人の生産性は上がります。
 企画書を書く時に、誤字に気づけるからです。
 誤字に気づかないで、そのまま上司に出すと、「字が間違っている。書き直せ」と言われます。
 書き直しの時間が、ムダにかかるのです。
 部下はよく、「上司は企画書の重箱の隅をほじくる」と、悪意を持って言っています。
 間違った企画書を、得意先に出すわけにはいきません。
 説得力がなくなるからです。
 究極、字に興味のない人は、相手の名前を間違えます。
 たとえば、「ワタナベ」の「ナベ」の字はたくさんあります。
 印鑑の「ワタナベ」は、160種類ぐらいあるのです。
 漢検で漢字の勉強をしている人は、字に興味を持ちます。
 そういう人は、上司のことを「重箱の隅をほじくる」とは言わなくなります。
 上司が「てにをは」を直すのは、「てにをは」を間違うと意味が通じなくなるからです。
「これで時間を食う」と怒っている人は、本を読まない人です。
 そういう人は、ヘンな企画書を書いても平気です。
 SNSは、「てにをは」を間違っても通じます。
 SNSをいくら読んでも、「てにをは」は覚えられません。
 きちんとした本、ちゃんとした文学書を読んで勉強しておくことで、ボキャブラリーが増えて、「てにをは」の使い方と文法が覚えられるのです。

 すべての勉強が、仕事の早さにつながります。
「せっかくの休みぐらい寝ていたい」と思うのは、金曜日の夜にウロウロしているからです。
 なんとなく、「金曜日の夜は、みんなウロウロしている」という思い込みがあるのです。
 実は、金曜日の夜の過ごし方と土・日の過ごし方は連動しています。
 金曜日の夜に早く帰る人は、土曜日の朝から有効活用して勉強しているのです。

(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。4回目の次回は、3月2日掲載予定です。)

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

なぜ あの人は2時間早く帰れるのか

向上心のある大人の女性に向けて、年齢を重ねても魅力的の「美人力」を提案。人気の書籍をハンディ版として新装発売。
定価:本体1300円+税/学研プラス

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