「嬉しい派」の人は、迷う。

中谷彰宏『迷わない人は、うまくいく。』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2016.06.07
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 生き方には、
 ① 嬉しい派
 ② 楽しい派
という2通りがあります。
 仕事をする時でも、「嬉しいから仕事をする人」と「楽しいから仕事をする人」の2つに分かれます。

「嬉しい派」は、迷います。
 AかBかを選ぶ時に、どちらが嬉しいかで選ぼうとしても、選べません。
「嬉しい」と「楽しい」とは、違います。
 どちらの見返りが大きいかを計算するのが、「嬉しい派」です。
 自分がしたことに対して他者が見返りをくれた時に、「嬉しい」と感じます。
 判断基準は、どちらがお金が儲も うかるか、どちらがほめられるか、どちらが感謝されるかです。
 実際は、この判断基準では決められません。
 予測ができないからです。
 見返りは、他者が決めることです。
 自分では、決められません。
 だから、迷うのです。
「楽しい派」は、どちらが自分にとって楽しいかで決めます。
 他者の見返りやリアクションとは、関係なしに生きているのです。

 プレゼントの仕方で、「嬉しい派」と「楽しい派」の違いがよくわかります。
「楽しい派」は、プレゼントをあげることが楽しいのです。
「嬉しい派」は、プレゼントをあげた相手が喜んでくれて、それでつき合うことになって初めて「嬉しい」と感じます。
「これ、持っている」と言われたら、その瞬間に嬉しくなくなります。
「ひどい。普通、持っていてもそんなこと言わないよね」と思います。
 プレゼントをあげることで、相手に憎しみが湧いてくるのです。
「もし相手が持っていたらどうしよう」と事前に考え始めると、選べなくなります。
 相手の事情だから、予測できないのです。
 たとえ今は持っていなくても、ほかの人が自分より1ランク上のプレゼントをした瞬間に、アウトです。
 そうなると、まわりのすべての人たちに何をあげるのか聞くことになります。
 それでも、調べ尽くすことはできません。
 これが、迷いの原因です。
 結局、AかBかで迷っているのではないのです。

「嬉しい派」は、いつもまわりをキョロキョロしています。
 思い切って前に進めず、後戻りしたり、グズグズ言ったりして、チャンスを逃します。
「嬉しい派」の生き方から抜け出すことで、迷いから抜け出せます。
 迷うことに時間とエネルギーを使うより、行動することで、人生は楽しくなるのです。

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

迷わない人は、うまくいく。
ブレなくなる61の方法

仕事も、恋愛も、人間関係も、うまくいっている人は、迷わない。ブレない心で、チャンスをつかむ55の方法を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス

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