「子どもを理科好きにしてあげたいけれど何からどのように取り組めば良いのか分からない」とお悩みの保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
植物、動物、昆虫、天体、ヒトのからだ、電気、天気など、小学生で習う理科は広範囲で、覚えなければならないことがたくさんあります。理科を暗記科目として考えてしまうと、「つまらない」「嫌い」と苦手意識を持ってしまうお子さまも多いかと思います。
そこで、今回はお子さまが理科に興味を持ち、楽しく理科を学ぶために、ご家庭でサポートできることをご紹介します。
小学校の理科は何を学ぶのか
小学校の理科では、どのようなことを学習するのでしょうか。まず、1年生と2年生では、理科ではなく、「生活」という教科で、四季の移り変わりを学び、身近な植物や動物、昆虫など、身の回りにある事象を学びます。
「生活」は3年生になると「理科」という教科になり、植物や昆虫を育てたり、太陽の動きを観察したり、磁石の性質などを学習したりします。4年生では、ヒトや動物のからだのつくりやしくみ、月や星の動き、物の温まり方などを、5年生では、生命の誕生、電磁石、ふりこ、天気、物の溶け方などを、そして6年生では、地球と環境、地震や噴火、てこ、電気などを学習します。
子どもを理科好きにするために大切にしたい2つのこと
子どもを理科好きにするために大切にしたいことは、さまざまな事象に「不思議だな」「どうして」「なぜ」という「好奇心を育てる」ことと、「自然に親しみを持たせる」ことの2つです。
子どもは幼児のころから「どうしてお月さまは形が変わるの?」など、さまざまな事象について、たくさんの質問を投げかけてきます。中には保護者の方が答えられない質問もありますよね? そんなときは、親子で一緒に調べてみましょう。「図鑑で調べてみようか」、「インターネットに記事が載っていたよ」など、関連のある本やサイトを見ながら、子どもの疑問や発見に寄り添ってみましょう。
子どもが「疑問に思った」ことについて、一緒に「調べる」という行動を通して、知らなかったことが分かり、疑問が解決されていくということの積み重ねは、子どもの知的好奇心を育てますよ。
2つめについては、キャンプやトレッキングなどに家族で出かけて、豊かな自然に直接ふれあう機会を増やしてみましょう。自然の中には、さまざまな植物や動物、昆虫がいます。滝や川はその場その場で流れ方や温度が違っていたりしますし、山や岩の形などもその場所ごとに違った形や性質をしていたりします。山の散策や昆虫採集、川遊びなどを実際に体験し観察することで、自然に対する興味を持たせることができます。
理科の成績アップにつながるご家庭できる7つの取り組み
小学校の理科では、自然の事物・現象を理解し、科学的な見方や考え方を養うことを目的としています。教科書やドリルなどで反復学習をして丸暗記するだけでは、なかなか成績アップにつながらないのが理科の特徴です。
そのため、理科に対して、いかに子どもが興味を持ち、好きになれるような環境を作りだしてあげられるかがカギとなります。そこで、理科の成績アップにつながるご家庭できる7つ取り組みをご紹介します。
1.理科で学習することを生活に関連づける
教科書で学習すると難しいことでも、生活の中で起きることに関連づけると、興味を持ち、理解を深めることができます。例えば、てこの原理、物の温め方や溶け方、量り方、電気のしくみなどです。
料理をするときでも、砂糖や塩を溶かす、水や油を温める、栓抜きなど、調理の途中で理科につながることを子どもに教えてみましょう。
「なぜ、溶けるの?」など疑問を持ったら、チャンスです。図鑑や教科書など見ながら、一緒に理由を考えてみましょう。
2.図鑑やインターネットなどのツールを揃える
子どもが疑問に思ったことをすぐに調べられるように、動物や植物、宇宙など、理科に関する図鑑やインターネットなどのツールはできるだけ揃えておきましょう。リビングなど、すぐに手に取れる場所に置いてあれば、疑問に思ったことをすぐに調べることができます。低学年のうちは一緒に調べ、高学年になったら自分で調べるという経験を通じて、探求心が育まれます。
3.水族館・動物園・植物園に行く
水族館や動物園、植物園へ出かけて、動植物に興味を持たせましょう。実際に動植物を観察したり、エサやりやバッグヤードツアーなどのイベントに参加したりすれば、どんなところに生息するか、どんな物を食べるのかなどが、思い出とともに記憶に残りやすくなります。家に帰ってから、図鑑などで確認すれば、さらに知識も深まります。
4.科学館・博物館に行く
科学をはじめ、宇宙や恐竜、ロボット、鉄道、船など、さまざまな分野に関する科学館・博物館があります。科学館・博物館では、分かりやすい映像ショーや実験・観察などの子ども向けの体験イベントが開催されています。今子どもが興味を持っている分野だけでなく、そのほかの分野の科学館・博物館にも行って、子どもの興味を広げるサポートをしましょう。
5.顕微鏡を買う
小学生向けの顕微鏡は1万円程度で販売されている物も多いので、購入してみてはいかがでしょうか。葉っぱや花粉、水の中の微生物など、好奇心いっぱいの子どもは、自分で観察したい物をどんどん探してきます。自分の目で見える物と顕微鏡を通じて見える物の違いを知り、楽しみながら知識を深めることができます。
6.実験・観察キットを買う
学研の「科学と学習」PRESENTSなど、さまざまな子ども向けの実験・観察キットが販売されています。器具や材料がセットとなっているので、気軽に実験・観察できます。子どもと一緒に実験・観察を楽しみましょう。
7.理科に関するテレビ番組を見る
NHK Eテレをはじめ、動物や植物、人体、宇宙、科学など、子ども向けから大人向けまで、理科に関するたくさんの番組が放送されています。お子さまが興味ある物や見せたい物をセレクトして、一緒に視聴しましょう。
このように、理科は遊んで楽しみながら学べることがたくさんあります。「疑問を持ち、それを調べる」という経験を積み重ねていけば、身をもって理科的な事象を理解することができますし、それが結果として成績アップにもつながっていきます。日常生活でもご家族でレジャーを楽しむときでも、お子さまの好奇心をどんどん刺激してあげてくださいね。
ライター:岩田 園絵
プログラミングや英語、ピアノ、ゴルフなどの教室や体験学習に奔走しつつ、子育てに力を注ぐママライター。高校生と小学生の子どもと忙しい日々を過ごす。暮らし、医療、グルメなどさまざまなジャンルの記事を執筆。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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