400編以上の応募作から選ばれた新たな児童文学作品は、パリの理容店を舞台に、画家になる夢を抱く少年の物語。
小川未明文学賞は、上越市出身の児童文学作家、小川未明の文学精神を継承し、新しい時代にふさわしい創作児童文学作品を輩出する目的で、平成3年に創設されました。
新潟県上越市と小川未明文学賞委員会が主催し、株式会社学研プラスが第9回より、協賛しています。
今回は日本全国より409作品が集まり、その中から、北川佳奈さん(東京都)の「シャ・キ・ペシュ理容店のジョアン」(長編部門)が大賞を、かみやとしこさん(愛知県)の「トリロン」(長編部門) が優秀賞を受賞されました。大賞受賞者には、賞金100万円と記念品の『定本小川未明童話全集』(大空社)が、優秀賞受賞者には賞金 20万円がそれぞれ贈られます。
贈呈式は例年3月に執り行われておりましたが、今年は新型コロナウイルスの影響により開催が延期。今回ビデオ会議システムを利用し、新潟県の上越市役所と東京都品川区の学研ビル内会場とを繋ぐ、初のリモートでの授賞式という形によって、開催が実現しました。
式は午後2時より、小川未明文学賞委員会の菊永副会長のあいさつに始まり、宮川会長と上越市の村山市長、学研プラスの影山社長からのお祝いの言葉を経て、大賞受賞者の北川さんへの賞状・花束の贈呈が行われました。優秀賞のかみやさんへも、後日、賞状と花束が送られる予定です。
大賞に選ばれた「シャ・キ・ペシュ理容店のジョアン」は、フランスのパリが舞台。画家との出会いをきっかけに、絵に興味を抱いていく理髪店見習いの主人公ジョアンの、夢との向き合い方を描いた物語です。
最終選考委員も務める宮川会長は大賞作品について、「エッジのきいた文章で、少年の日常の細部が描き出されていくとともに、少年の生きる世界が立ちあがってくる」、「かならずしも時代がはっきりしないパリを舞台にした作品だが、少年が人生をどう選ぶことができるかという主題がかえって純粋に書かれて、現代の日本の少年少女に手渡される」と評しました。
村山市長は、祖父が理容店を営んでいた話を披露。大賞作品にとても親近感をもって、すぐに読んでしまったと話し、北川さんを祝しました。
北川さんは子供の頃、夏休みの宿題で書いた絵日記で何気ない日常を文章にしたことが、文を書く楽しさを知る原体験だったと語り、「この受賞を励みにして、これからも小さなことにも目を向けながら、文章を書き続けていけたら嬉しいなと思います。」と受賞の喜びを語りました。
大賞作品は来年1月下旬、学研プラスより書籍として刊行される予定です。
なお、第29回小川未明文学賞の応募は2020年10月31日(土)までとなっています。
第28回、第29回小川未明文学賞の詳細は下記ホームページもご確認ください。
■上越市ホームページ
第28回小川未明文学賞授賞式
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/mimei-bungakukan/bunngakusyou28jushousiki.html
第29回小川未明文学賞
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/mimei-bungakukan/list234-1991.html
■小川未明文学館
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/mimei-bungakukan/
■小川未明文学賞ホームページ(学研プラス)
https://gakken-ep.jp/extra/mimei-bungaku/
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