藤村沙希『湊まちの寅吉』 
河村一美『昔、瞽女さんが雁木の町を歩いていたんだよ』

2019.03.06

 新潟県上越市と小川未明文学賞委員会が主催し、株式会社学研プラスが協賛する、第27回小川未明文学賞の受賞作品が決まり、2月22日(金)、発表されました。

 今年は、日本全国から昨年より27編多い503編が集まりました。そのうち最終選考に残った8編から、作家の落合恵子さんやねじめ正一さんら6名の最終選考委員が大賞と優秀賞を決定しました。

 その結果、藤村沙希さん(新潟県・新潟市)の「湊まちの寅吉」(長編部門)が大賞を、河村一美さん(新潟県・上越市)の「昔、瞽女さんが雁木の町を歩いていたんだよ」(長編部門) が優秀賞を受賞されました。いずれも、新潟を舞台とする、いきいきとした作品です。

 27年に渡る同賞の歴史の中で、新潟県からの受賞者は初めてとなります。

大賞「湊まちの寅吉」について

▲大賞を受賞された藤村沙希さん

 大賞受賞作の「湊まちの寅吉」は、活気溢れる江戸時代の新潟湊を舞台に、廻船問屋の息子の寅吉が、父のために芝居に奮闘するエンターテインメント色の強い物語です。

 大賞に選ばれた藤村沙希さんは、
「地元の偉人である小川未明の名前を冠した賞を頂けたことは、大変名誉なことと思っております。また私は、主催されている上越市での受賞ということに、ひときわ感慨深いものがあります。(上越市出身である)杉みき子先生から指導を受けたり、一緒に勉強する仲間に巡り合ったりしたことが、児童文学を書くきっかけになったからです」
と感想をコメントしました。

優秀賞「昔、瞽女さんが雁木の町を歩いていたんだよ」について

▲優秀賞を受賞された河村一美さん

 優秀賞に選ばれた「昔、瞽女さんが雁木の町を歩いていたんだよ」は、小学6年生の主人公が、あるきっかけから高田の瞽女(ごぜ)だった自分の曾祖母への関心を深めていく物語です。

 偶然にも藤村さんと同じく、児童文学作家の杉みき子さんの元で学んだ経験を持つ優秀賞受賞者の河村一美さんは、
「本当に嬉しく光栄に存じます。受賞した作品は、まず題材に大きく助けられたと思います」「高田瞽女の歴史や文化をぜひ小学生にわかってもらいたいという強い願いがありました。今回、多少それが果たせたような気持ちにならせていただきました」
とコメントを寄せました。

 小川未明文学賞委員会の小玉武会長は、今回の選考結果について、
「今回はレベルが高かった。上越市に小川未明文学館があり、童話創作講座を開いていることがいい影響を与え、結果につながったのでは」
と話しました。

▲上越市役所での受賞作報告のようす (右から、上越市・村山市長、小川未明文学賞委員会・小玉会長、同・菊永委員長)

 

 贈呈式は3月30日(土)午後2時より、小川未明文学館(上越市)にて開催予定です。

 また、大賞は秋ごろ、学研プラスより書籍として刊行される予定です。

小川未明文学賞とは

 小川未明文学賞は、上越市出身の児童文学者で、「日本児童文学の父」とも呼ばれる小川未明の文学精神を継承し、新しい時代にふさわしい創作児童文学作品を輩出する目的で、平成3年に創設されました。

 新潟県上越市と小川未明文学賞委員会が主催し、株式会社学研プラスが第9回より、協賛しています。

▲最終選考会の委員のみなさん(写真右より、宮川健郎さん、佐々木赫子さん、落合恵子さん、ねじめ正一さん、小川英晴さん、学研プラス小方編集長)

第27回小川未明文学賞の詳細は下記ホームページもご確認ください。

■上越市ホームページ

https://www.city.joetsu.niigata.jp/

■小川未明文学館
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/mimei-bungakukan/

■小川未明文学賞ホームページ(学研プラス)
https://gakken-ep.jp/extra/mimei-bungaku/

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