久しぶりの 長文メールより、 普段からの1行メール。
千田琢哉『「仕事が速い」から早く帰れるのではない。「早く帰る」から仕事が速くなるのだ。』セレクション
仕事を速く進めるためには、自分だけが速くなっていてはいけない。
なぜなら、仕事とは、直接的、そして間接的な意味の両方で、
他人と関わりながら進めるものだからである。
たとえば、私がコンサルタント時代に、
プロジェクトのリーダーを務めていた時がそうだった。
私一人だけ単独で、いくら仕事が速くても、
チームメンバーの誰かが遅ければ、
結局、一番作業の遅い者に
全体のスピードを合わせなければならないのだ。
これは、現在の出版の仕事でも同じだ。
1冊の本を出すためには「著者」「編集者」「ライター」「校正者」「デザイナー」「印刷会社」「取次会社」「書店」…と複数の人たちが関わっている。
誰かが一人でも足を引っ張ると、その時点ですべての人の仕事が滞ってしまう。
きっと、あなたの仕事もこれは同じだろう。
では、どうすればチーム全体のスピードを速くできるのかといえば、
コミュニケーションという潤滑油を活用するしかないのだ。
コミュニケーションと聞くと、
卓越した話術や幅広い教養などを連想する人がいるが、そうではない。
仕事におけるコミュニケーションで大切なのは、
やり取りの「長さ」ではなく、「頻度」なのだ。
久しぶりの長文メールより、普段から何気ない1行のメールをしているほうが、少なくとも仕事上では、いいコミュニケーションを取っていることになる。
久しぶりに2時間話し込むよりも、毎日言葉を交わしているほうが、少なくとも仕事上では、いいコミュニケーションを取っていることになる。
この頻度により、細やかな情報が共有され、メンバー間の実力差も補完され、チームの仕事が滞りなくスピーディーに進むようになるのだ。
一方で、コミュニケーションの頻度が少ない相手には用心したい。
仕事でもプライベートでも、久しぶりに声をかけてくる相手というのは、あなたに会いたいのではなく、何かに利用する目的であることが多い。
「あれ、そんなに親しかったかな?」
という微妙な知人から久しぶりに声がかかってきたら、
「借金の依頼」や「保険商品のノルマ協力」など、
お金関係が目的だったという経験をした人もいるだろう。
仕事でも、久しぶりに声をかけてくる相手には、そこら中の取引先に嫌われて、また戻ってきた“できない人”が圧倒的に多い。
潤滑油は切れてから差すのではなく、日頃からまめに差しておくことが大切なのだ。
(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載予定です。次回は11月27日掲載予定です。)
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
「仕事が速い」から早く帰れるのではない。「早く帰る」から仕事が速くなるのだ。
最速で最大の結果を叩き出し、「職場で一番先に帰る人」になるスキルとそのコツを、20代のカリスマ・千田琢哉が教えます!
定価:1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 自分から謝ると、 仕事が速く進む。
- 決断力のベースは、 熟睡と栄養。
- 普段から決定権者の 思考回路を インストールしておく。
- 独立して成功したいなら、 実質労働時間は 10分の1を目指す。
- フライングを 習慣化する。
- “はじめの1分”に 神は宿る。
- 早く帰れば、道は拓ける。
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