すべての人に、弱点はあります。
「弱点を人に見られて嫌われたらどうしよう」「あいつはダメな人間だと思われたらどうしよう」と思う人は、弱点を隠します。
　隠していることのつらさは、永遠に隠し続けなければいけないことです。
　一番楽になる方法は、バレてしまうことです。
　指名手配の逃亡犯と、同じです。
　犯人は捕まった時に、大体ほっとした顔をしています。
　もう逃げる必要がなくなるからです。

　隠していることがあると、自由度がなくなるのです。
　たとえば、指名手配犯が町に出て、「このお店、おいしそうだな」と思いました。
「でも、もしこのお店にテレビがあって、指名手配の情報が流れたらどうしよう」「店内に指名手配のポスターが貼ってあったらどうしよう」「お店の人に気づかれたらどうしよう」と迷った末に、入るのを諦めました。
　弱点を隠すという行為が、一番迷う原因になるのです。

中谷　彰宏 (なかたに あきひろ)