2020年度から、小学校でもプログラミング教育が必修化されると発表されました。それに伴い、保護者の方はさまざまな不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、「プログラミングって何?」「学校で何を教えるの?」「どれくらいお金がかかるの?」など、保護者の方から寄せられる不安と、それに対する回答をまとめています。
もくじ
どうして小学校でプログラミングを学ぶの?
テレビやエアコン、冷蔵庫など、さまざまなコンピュータに囲まれて暮らしている今の社会において、コンピュータを制御するしくみである「プログラミング」はとても身近な存在です。
AI(人工知能)の進化によって、10年後、20年後には今ある仕事の約半分がなくなるとも言われています。こう聞くと不安になるかもしれませんが、それに代わる新しい仕事もまた生まれるはずです。それを生み出す力を育むのが、プログラミング教育だと考えられています。
これからの世の中に順応していくため、現代の小学生は幼い頃からコンピュータに触れて、体験することが大切なのです。
保護者の方の不安は、自身にプログラミングの知識がないこと
「パソコンやプログラミングについては詳しい」と自信を持って言える保護者の方ばかりではありませんよね。「もし子どもが学習でつまずいてしまったら自宅ではフォローできない、その場合は塾へ通わせなければならないの?」と不安を持っている方もいるでしょう。
でも大丈夫。じつは小学校で必修化されるというプログラミング教育は、プログラミング言語の学習ではありません。あくまでも論理的な思考を育むことが目的で、その手段としてプログラミングを取り入れるというだけ。つまり、保護者がプログラミング言語について詳しくなくても全く問題はないのです。
専門性のない教師の指導で大丈夫?
「プログラミングのことはよく知らないけれど、指導者に専門的な知識が要求されるというイメージがある」
「システムエンジニアなので、プログラミングは本業。教師にいい加減な知識を植え付けられてはたまらない」
このように、プログラミング教育の専門家ではない小学校の教師でも、正しく指導できるのか不安に思われる保護者も少なくないようです。
先述の通り、小学校のプログラミング教育で「言語の学習」は行いません。あくまでも主軸は「論理的思考を育む」ことで、プログラミングはそのための手段として用いられるに留まります。このため、専門性のない教師にいい加減な知識を植え付けられる…といった心配はないでしょう。
プログラミングを学ばせるのに、お金ってどれくらいかかるの?
子どもの学習状況や興味関心の度合いによっては、学校の学習だけではもの足りないと判断するかもしれません。その際、スクールや塾に通わせることを検討すると思います。しかし、ピアノやスイミングといったおなじみの習い事と違い、子どもをプログラミングスクールに通わせているという話を聞く機会はそう多くありませんよね?
そこで気になるのが、プログラミングを学ばせるのにどれくらいのお金が必要なのかという疑問です。子どものためになるなら通わせたい、でもあまり高いのはちょっと…という本音もありますよね。
プログラミング学習のためにどれくらいのお金がかかるのか、下記を参考にしてみてください。
◯プログラミングスクールに通わせる場合
子ども向けプログラミングスクールの月会費は、8,000~15,000円程度が相場となっています。スクールやカリキュラムによってやや違いがありますが、一般的な習い事と比べて大幅に高額だということもなさそうです。
スクールのメリットは、専門知識を持った先生から指導が受けられ、子どもが続けやすいカリキュラムが考えられている点。また、同年代の子どもと一緒に学ぶ環境が整っているため、モチベーションを保ちやすい点も魅力ですね。
◯Webサービスを使う場合
「続けられるかわからないし、いきなり月に10,000円近いお金を出すのは難しい」と感じる場合は、Webサービスを活用してみましょう。アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボによる「Scratch(スクラッチ)」や、文部科学省による「プログラミン」などは無料で利用でき、評価も高いのでおすすめです。
Webサービスのメリットは、費用をかけずに始められる点です。まずは試してみて、子どもに合っているかどうかをじっくり見てあげることができます。そのうえで、もっと高度なことを学びたいなど必要性を感じたらスクールに通わせる、という方法も良いでしょう。
プログラミングは楽しみながら取り組むもの
保護者の方が小学生・中学生だった頃は、授業でプログラミングなんて習いませんでしたよね。そのため、プログラミングと聞くとエンジニアが使う、暗号のようなコードが画面いっぱいに並んでいて、なんだか難しそう…というイメージが強いのだと思います。
ですが、実際にはプログラミングは、とても身近で、意外と簡単なものです。ブロックを積み上げるようにコマンドのブロックを並べれば、画面の中のキャラクターは指示通りに動いてくれます。自分が作ったプログラムで、キャラクターが思い通りに動いてくれるととても楽しいものです。
「なんだ、そうだったんだ!」という新しい発見をしたとき、とても興奮してウキウキしますよね。学校のプログラミング教育ではプログラミングを通じて、そういった経験を増やしていくものだと考えてください。
プログラミングの知識は、大人が学んでも役立つものです。ぜひお子さまと一緒に、楽しみながらプログラミングに触れてみてください。
ライター:七尾 なお
生活コラムから経済誌まで、ウェブや雑誌を問わずさまざまな媒体で執筆をするフリーライター。男の子と女の子の二児の母。父親向けのコラム執筆や、育児に奮闘する母親や父親向けの情報サイトの運営など、教育関連の執筆にも力を入れている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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