第3回 子どもが撃ち合うということ、 女性が犯されるということ

ザザが教えてくれること

UPDATE 2020.07.17
公開日 2015.10.20

 物語のもう一人の主人公、マンガ作家の神田は、ビルのエレベーターの前で偶然言葉を交わしたことから、赤十字国際委員会(ICRC)の女性広報官と知り合あい、それから運命の糸に操られるようにしてコンゴ民主共和国に行くことになります。

(読み手はその背景に、ICRC側の事情、マンガの強い“伝える力”を活用して人々に人道支援の理解を広め、深めたいという事情があったこともわかります。)

 

 ザザの母マイラに会うことができた神田は、彼女から「笛」をわたされます。食事の時間を告げるその笛の音が聞こえると、ザザはどんなに遠くにいても一目散に家に帰ってくるのでした。家族の絆の証しでもある笛を握りしめ、神田はザザを探しに行くのでした。

 やっとザザと出会った神田。しかし彼は同時に衝撃的な光景を目の当たりにします。兵士となったかつての仲間たちが、銃を持って互いに撃ち合いを繰り広げているではありませんか! 神田は気が変になりそうでした。地獄の真ん中にいるような思いでした。日本では想定し得ない光景です。

しかし現実には、子ども兵士が世界で約25万人はいるというのです。

 神田はザザを探す過程で、ザザの姉であるララとも出会っています。しかしそれは、彼女が多くの兵士から凌辱を受けたあとのことでした。

 戦争、紛争は人間から正気を奪います。しかしここまで常軌を逸した行動をとらせるものなのか? ザザの物語が私たちに教える不条理です。

次回はこの問題について、もう少し知見を得るための話をお伝えしたいと思います。また、今回の話の中に出たICRCのマンガに対する期待と活用についても、興味深いお話をご紹介したいと思います

(編集担当者)

 

作品紹介

14歳の兵士ザザ

ジュネーブ条約上ではいてはならない14歳以下の「子ども兵士」。しかし現実に世界の紛争地域に存在する。そこで1人のマンガ脚本家が赤十字国際委員会から許可されたジャーナリストとして、アフリカの紛争地域を取材。解決の糸口を探った渾身のジャーナルコミック。
作・大石賢一
漫画・石川森彦
監修・赤十字国際委員会
¥1,200+税/学研プラス
(旧学研パブリッシング)

 

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